振込手数料が安くなる?40年間変わらなかった銀行間送金手数料が見直される…

銀行の手数料って…

銀行に自分のお金を預けるのに手数料がかかる、自分のお金を引き出すのに手数料がかかるってどういうこと…って思いますよね。

海外銀行では、残高に応じて口座管理費がかかる場合もありますので、お金を管理維持するためには費用がかかると言われたら、そうなのかもしれません。

コンビニ店舗で展開しているセブン銀行は、そもそも貸付を行っていないので、この預け入れ・引き出し・振込にかかる手数料が大きな収入源となっています。

手数料と言えば、銀行は、窓口で販売する生命保険や損害保険、投資信託の「販売手数料」も大きな収入源です。

銀行の収益としては、これら手数料収入の他に、預金として預かったお金を貸し付けなどに利用して得る金利収入があります。

貸付金利と預金金利の“金利差”が銀行の“儲け”になるのですが、銀行の収入といえば、この金利差での儲けを指すことが多いです。

考えたら、普通預金や定期預金金利と住宅ローン金利を比べてみれば、どれだけの金利差があるかは一目瞭然ですね。

ただ、この金利差収益は、お金を借りてくれる側の状況によって変動します。

不景気のときは企業はなかなかお金を借りてくれないので、金利差で儲けることが厳しくなってきます。

振込手数料 安くなる

日本銀行の金融政策で、超低金利状況が長期間続いています。

銀行の収益が圧迫されている状況が、もうかなりの期間続いています。

この他に銀行は、国債等への投資による運用益も大事な収益源となっています。

今は低金利なので、国債だけでなく、より多くの利回りを求めて株式や海外の仕組債などにも投資していますが、これは運用損失を抱える可能性もあると言えます。

海外の仕組債などで運用は、銀行経営そのものを危うくするような損失を被るのではないかと、危惧されてはいますね。

銀行は、収益構造を、貸付による金利差収益から手数料収入へ、その比重を見直そうとしています。

それは生命保険や投資信託の窓口販売による手数料を増やすということです。

海外銀行にはあって日本の銀行にはなかった「口座管理費」というものを設けることも検討されています。

逆に、振込や引出しの手数料の方は、暗号資産のような送金手数料が極端に安くできるシステムが登場したことにより、値段を下げる方向で見直されていくと思われます。

特に振込手数料に関しては、市中銀行からの送金とネット送金では、その手数料金額が大幅に異なってきています。

海外送金手数料は、ネットでの送金のほうが安くなっています。

今までこれら手数料に関しては、銀行間で差を設けない、いわゆる業界横並びの状態でした。

ネットという、対面を求めない新しい業態が様々なコストの効率化を図り、従来当たり前とされていた手数料の概念を、大きく変えてきています。

それは、私たち消費者にとっては非常に良いことだと思います。

そもそも銀行振込の仕組みは…

銀行の「振込」とは、

   支払人の預金口座からお金を出して、受取人の預金口座に入金するしくみ

のことをいいます。

このような振込に関する処理のほとんどが

   全国銀行データ通信システム(全銀システム)

というシステムによって、ネットワーク上でオンライン処理されています。

全銀システムは1973年4月にスタートし、今では日本経済を支える不可欠なインフラとなっています。1日約650万件の決済を処理する基幹インフラとなっています。

全銀システムでは毎日午後4時15分に、各金融機関で決済が必要なお金を計算し、各金融機関が日本銀行に保有している当座預金の残高が増減されることで、最終的に決済されます。

それだけでなく、2011年11月に稼動した第6次全銀システムでは、1億円以上の多額の振込取引は、これまでのような計算上の差額金を清算するしくみではなく、1取引ごとに各金融機関の間で即時に決済を終了するようになりました。

これをRTGS(Real Time Gross Settlement:即時グロス決済)と呼び、各金融機関の決済リスクを軽減させ、金融システム全体のシステミック・リスクを軽減させることに役立っています。

この「振込」というしくみを維持・運用するためのお金として振込手数料が存在します。

銀行間で振込をする際には、振込をする銀行(業界的には「仕向(しむけ)銀行」)から、全銀システム(振込を実現するためのネットワークシステム)の運営主体である全銀ネットに対して振込1件当たりいくらかのお金を支払っています。

逆に、振込をされる銀行(業界的には「被仕向(ひ・しむけ)銀行」)は、全銀ネットからいくらかのお金の支払いを受けています。

銀行によって、また日によって、支払いをするほうが多かったり、支払いを受けるほうが多かったりしますが、各銀行は、支払うお金・支払いを受けるお金を差し引き計算して精算しています。

また、各銀行が全銀システムに接続すること自体にも、毎月の回線費用・銀行内のシステム運営費用など、それぞれ費用がかかっています。

つまり、私達が負担する振込手数料とは、銀行が振り込みを行う際に、必ず利用する全銀システムに発生する費用だということになります。

全銀システムを利用しない振り込みもあります。

それは、同じ銀行の中での振込(業界的には「行内振替」)です。

また銀行によっては、顧客取引状態が一定の条件を満たした場合には、他行(他の銀行)宛の振込手数料を一定の回数までは手数料がかからない顧客優遇策をとっている銀行もあります。

費用とうことを考えると、ATM機設置・維持費用、例えば、ATM機1機購入するのに数百万かかり、それを設置する場所の賃料や警備費や障害対応費などと合わせ月30万円ほどかかります。

その他、現金輸送など人件費を含めた費用は、業界全体で年2兆円にのぼるとのことです。

預金者保護の場面では、金融機関が破綻した場合に預金者の預金などを保護するための保険制度である預金保険機構に対して、各銀行が支払っている預金保険料なども、費用の一つとして挙げられますね。

振込手数料が安くなるかもしれません…

公正取引委員会が「現状の是正が必要」として、実質的に引き下げを求める報告書を発表した。

銀行間をまたぐ送金の際にかかる手数料は本来、交渉で決められるものですが、実態は、3万円未満の送金は1件117円、3万円以上なら162円で、これは40年以上変わっていないということが指摘されました。

公正取引委員会はこの額について、「事務コストを大幅に上回っている」との見解を示した上で、「銀行間手数料水準の変更交渉が行われた事実は確認できなかった」「諸外国の振込取引において銀行間手数料に相当する手数料が発生している事例は確認できなかった」とまで述べるなど、強く是正を求めました。

公正取引委員会が、古くからの銀行手数料のあり方に異議を唱えたのです。

具体的には、銀行や信用金庫など預金を取り扱う金融機関のみが参加している全国銀行データ通信システム(全銀システム)が、送金や決済を専門に手がけるフィンテック業者に門戸を開くようにすることで、フィンテック業者が直接接続できるようにすることで、企業努力で送金手数料に引き下げ余地が生まれる方向に持っていこうというものです。

政府も7月に閣議決定した成長戦略で振込手数料の引き下げ方針を打ち出しました。

このため銀行だけが参加する現状を改め、フィンテックも全銀システムに直接つなげるよう見直します。

全国銀行協会は今年度中に結論を出し、早ければ2021年度にも接続できるようにする方針のようです。

フィンテック業者は現在も銀行を通じて全銀システムを利用できますが、あくまで個人と同じ「一般利用者」という位置づけとなっっていますので、1回あたりの銀行間の振込手数料(3万円以上で162円、3万円未満で117円)に銀行が事務コストなどを上乗せした「小売価格」が「仕入れ値」となるため、銀行との競争は容易ではない状況にあります。

全銀システムに参加できれば、上乗せ分の手数料を自ら決められるようになるため、安価な手数料で利用者を増やすといった戦略をとりやすくなり、それが銀行全体の競争を高め、振込手数料を今よりも安くできるのではないかというものです。

全国銀行協会による聞き取り調査では、海外を含む複数のフィンテック業者が全銀システムへの参加の意向を表明しています。

ただ、これにはいくつかのハードルがあります。

報道によれば

「銀行側は国内決済の基幹インフラである全銀システムに接続するためには、資本金や内部管理態勢などで高い要件を満たす必要があるとの立場だ。振り込み元となる預金口座は銀行がコストをかけて本人確認したり、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を実施したりしている。銀行界には「ただ乗りは許さない」(メガバンク幹部)との思いが強い。」

としています。

また、決済の情報は全銀システムで処理されるが、銀行間での実際のお金のやりとりは日銀の当座預金で行われるのですが、現在は金融機関のみが持つ日銀当座預金の口座をフィンテックに開くかも論点になっています。口座を開くには日銀との調整が不可欠だとのことです。

この条件緩和が銀行側が受け入れるかどうか、日銀がどう対応するかが、私たちの振込手数料が安くなるかどうかの鍵となってくるようです。

銀行側としても、キャッシュレス決済は利用者が少額で多頻度の支払いを行うことから、1件当たりの送金手数料を下げられることはメリットになるはずです。

振込手数料を引き下げるには、前述の「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」運営主体である全銀ネットに対して振込1件当たりの金額がポイントになってきます。

たしかに、全国の金融機関が加盟する「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」を活用した従来の口座振り込みの仕組みは、巨額決済にも対応可能で安全性も極めて高いと言えますが、一方で、利用者負担の高止まりが指摘されていました。

銀行としても、少額多頻度の決済を前提とした新システム構築を想定し始めました。

銀行のキャッシュカードで代金を支払うと口座から即座に引き落とされる「Jデビット」の仕組みをベースに、スマホ決済事業者との連携や友人・家族のスマホアプリへの送金など新たな機能を持たせることを検討しているとのことです。

送金や決済の上限額など詳細は今後詰めるようです。

   40年以上も私たちは高止まりした手数料を払わされている…

それはすべて、銀行側が手数料の見直しをしてこなかったことにあり、フィンテックの登場で、そのじょうきょうに風穴を開けたことになります。

現在は、インターネットバンキングで送金する場合、一般的に3万円未満の場合は1件当たり税込み220円、3万円以上は1件当たり税込み440円の振込手数料が必要ですが、新たな仕組みができれば引き下げにつながる可能性があります。

今まで「当たり前」と思っていたお金に係る手数料も、今後は大きく見直されてくることになるのかもしれませんね…

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