メロディー保育園パワーハラスメント問題から、保育士事情を考える…

静岡県浜松市にある「メロディー保育園」で今月(2019年12月)「園長や専務からパワハラやセクハラ、マタハラを受けていました」として保育士18人が一斉退職し、14日に開かれた保護者説明会では専務が土下座して謝る騒ぎとなったことが報じられています。

  子供や保護者の前で罵倒された…
   妊娠した保育士が「つわりは病気ではないから休むな」といわれた…

保護者120人が集まった説明会では、髙部志保子園長と夫の勉専務が退陣し、経営を別会社が引き継ぐことが伝えられたとのことです。

経営を引き継いだヒーローズホールディングス(同市中区)の鈴木克美社長は、会員制交流サイト(SNS)を通じて保育氏の求人にあたっているそうで、退職予定者を一堂に集め、経営陣の刷新を説明して残留に努める方針も示したようです。

保育士は、平均水準よりも安い賃金で、毎日忙しい業務をこなしています。

今回はパワハラなどの職場環境の問題での大量退職ですが、保育士を取り巻く環境の大きな問題点は、低賃金にあると思われます。

責任感が強い人は、たとえ職場環境がひどくても、子供達のために我慢していることが多く、それも賃金がそれなりにあれば我慢できるものも、今の水準では、様々な我慢の度合いが、精神的にバランスが取れない状況にあると思われます。

待機児童解消を掲げる国や自治体が保育園を急激に増やしているにもかかわらず、保育氏の賃金が低いままだと、保育士の成り手がいない状態と成ってしまいます。

   この人数では責任を持てない。大事な命を預かる自覚をしてほしい…

保育士不足の現場からの悲鳴のような声ですね。

国の政策である「無償化」で保育ニーズが高まれば、保育士不足はもっと深刻化することになります。

   成り手がいない
    退職者続出に歯止めが利かない

この背景には待遇の悪さ、なによりも賃金の低さがあるようです。

介護士の賃金改善は国会でも議論されていますが、保育士の待遇改善は、なかなか議論されません。

高齢者は投票に行くが、若者世代は投票場に足を運ばないからだと言われています。

政治家は、投票してくれる人だけを大事にするのです。すごくシンプルな話ですよね。

そもそも少子化の状況で、待機児童という現象が起きるのでしょう。なぜ保育園が足りないのでしょう。

ひとえに保育士不足ですね。需給バランスが実に悪いですね。

認可保育所の規定だと、0歳児が3人いると保育士は1人必要だし、1歳・2歳児が6人いたら保育士は1人必要です。だから預けたい人に比例して必ず保育士も必要になるのですが、ほいく氏が足りないので、預かれないというのが現状です。

ひとえに賃金の低さが悪循環を招いています。

データにもよりますが、保育士の平均年収は34.7歳で約310万円と、全職種の平均年収の414万円よりもはるかに低いです。

労働環境が悪くて給料が安ければ、誰もなりたくはないですよね。

補助金に頼る経営であり、また保護者が支払う保育料は、納める税金(住民税)で保育料が決まりますし、高額所得者でも上限は決まっています。

補助金対象外の施設が経営が苦しくなるのは、容易に想像できます。

その範囲で経費を賄うとなると、人件費にしわ寄せが来るのは明らかです。

新規参入の障壁が高いことも上げられます。

また「隠れ待機児童」と呼ばれる存在の大きさも問題で、「待機児童」は認可保育園入所町のカウント数で、認可保育所をあきらめて申し込まずに、認可外を利用しようとしている人や、保育園に子供を預けて働こうとしている専業主婦層はカウントされていません。

女性の社会進出と言いますが、子供を預けることができなければ、働きたくても働けないのが現状で、フルタイムだと子供を迎えにもいけず、延長保育も限度があります。

政策と現場が乖離している例と言えるのかもしれませんね…

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