全国知事が求める「休業補償」と、政府が押し切る「給付金」と「無利子無担保貸付」

西村康稔経済再生・新型コロナ対策担当大臣は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象となった東京や大阪など7都府県の知事のほか全国の知事らとテレビ会議において、施設の使用制限や夜の繁華街への外出自粛要請などについて説明して理解を求めたうえで、知事らが求める休業補償に対しては、一定割合の損失補塡を国が行う考えはないことを明らかにしました。

緊急事態宣言の出された7都府県以外にも全国の夜の繁華街での接客を伴う飲食店などの利用自粛を要請し、東京都ではすでに休業要請の対象施設も公表しています。

西村康稔経済再生・新型コロナ対策担当大臣は中小企業などに対しては、休業した場合の社員の給与補償を担う雇用調整助成金の活用や緊急経済対策で決めた最大200万円の給付金などによって「なんとか事業を踏ん張って継続していただければ」と述べたとあります。

休業補償という言葉が、損失補てんの意味合いがあり、さすがにそれはできないというのが国の立場なのでしょう。

たしかに特措法には、損失補償の規定はありません。

このことを前面に出して休業補償を拒む国の姿勢を見ていると、国は地方自治体に対して「補償は独自にやってくれればいい」と突き放したようんも思えますね。

まずは、休業補償と給付金についての考察です。

事業者への給付金に関しては、今年1月から12月までのどこかの月で、売上高が前年同月の半分以下に減った事業者が支給対象となります。

その月の売上高を12倍し「激減した状態が一年続いたと仮定した年間の売上高」を計算し、その額と、前年の売上高との差額分を一回だけ支給する仕組みです。

ただし、中小企業は200万円まで、個人事業主は100万円までという上限があります。

この給付金は、5月の開始を目指しています。

休業補償と給付金と無利子無担保貸付

このことに関しては、政府は経済のV字回復を期待しており、売り上げの激減が一年続くと想定していないことを述べてます。しかし売り上げの激減が一年続くと仮定した計算方法にすることで「より多額の給付金が事業者に渡るようにした」と説明していますが、果たして受け取る側はそのような認識があるのでしょうか。

まさに、政府と現場のギャップを感じる発言だと思います。

東京都が発表した、営業自粛に対する協力金となる、1店舗のみを運営する事業者は50万円、2店舗以上の場合は100万円の給付額も同じです。

休業する事業者への損失補償と給付金の違いですが、事業者側は政府の要請に応じて休むのだから、このために減る売上高や収入を補償すべきだと求めています。それが「損失補償」ですが、今回の給付金というかたちだと、休業の有無には関係なく、月の売上高が激減したかどうかで対象を絞っています。

その額が十分かどうかの話もありますが、一回のみの支給だと、自粛がいつまで続くのか先が分らない状況下では、この給付金で安心できるかどうかは疑問だとの声があります。

給付金の場合、財政支出額は事前に固定して決める事ができますが、損失を補償すれば、国の借金である国債への依存度が高まります。財政に余力がないことが、国が損失補償を躊躇する理由となっています。

そう考えると、今回の政府の緊急経済対策は、財務省が主導を取ったように思えますね。

中央における、経済産業省からの財務省の復権だと見る声もあります。

安倍晋三首相は答弁では、特定の業界に自粛をお願いしたとして、そのために損失補填をした場合、損失はその業界にとどまらなくなり、歯止めがきかなくなるとしています。

その点、融資だと返済があるので財政と切り離すことができ、政府としては、無利子・無担保の融資枠を拡大することで、企業の資金繰り支援をしようとしているようです。

ただ、感染がいつ終息するか見通せない中では、借り入れを躊躇(ちゅうちょ)する事業者も多いのが実態です。

つまり、実際の困っている実態を何とかして欲しいという声よりも、財政を見ている財務省の声のほうが大きく反映された政策だと言えそうです。

政府は7都府県の全ての事業者に対してテレワークを原則として、出勤が必要な場合でも最低7割減らす取り組みを改めて要請することを求めています。

安倍首相は緊急事態宣言を発令した際、人と人の接触を極力8割削減することを求めたが、西村大臣は現状では8割削減にまでは至っていないと指摘し、「8割削減を2週間続けると成果が出てくる。1カ月続ければ収束に向けて方向性が得られる」として、経済界などに広く要請して行く考えを示しています。

ただ今の政府の姿勢、出される企業等への生活支援対策を見る限り、その実現は、かなり厳しいと言わざるを得ませんね。

果たしてこの国は、どうなっていくのでしょうかね…

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