オンライン診断にオンライン授業、なぜ日本は前に進まないのか…

コロナ緊急対策としてのオンライン診断

新型コロナに対応し、初診でのオンライン診療を4月から解禁したことで、日本でも導入医療機関が増えているようで、システムを提供するマイシン(東京・千代田)は納入件数が3200施設に達したとあります。

ただ、海外と日本のオンライン診療の事情が異なっていて、海外では、コロナ以前からオンライン診断に必要性から積極的に取り組んでいたのに対し、日本では、コロナ対策としてやむを得ずオンライン診断を緊急的に取り入れたというところに大きな違いがあります。

日経新聞記事では、オンライン診断を「時限措置」としています。

緊急事態宣言が延長されたことを受けて、日本医師会の松本吉郎常任理事は8日の記者会見で、「初診からのオンライン診療は、情報がない中で診断をするため、大変危険だと指摘してきた。今回の政府方針は、非常事態のもとでの例外中の例外という認識だ」と述べています。

日本医師会としては、全くの初診からのオンライン診療の実施は、情報のない中での問診と視診だけの診断や処方となるため大変危険であると主張してきています。

その上で、今回の措置については、「この非常事態の下、患者や医療従事者の感染を防止し、地域医療の崩壊を避けるための特例中の特例であり、例外中の例外である」との認識を強調しています。

更に、今回の措置を適用するに当たって、高齢者や透析患者、妊産婦などが重症化する恐れがあること、また、在宅医療を受けている医療的ケア児や重度心身障害児・重度心身障害者やその家族にも目を向ける必要があること等を指摘し、改めて、各都道府県医師会に対して、初診によるオンライン診療についてもしっかりとした検証・協議を行うよう、都道府県行政との連携を求めています。

一方、都道府県行政に対しては、オンライン診療に関して、常に問題のある事例を収集し、場合によっては定期的な開催だけでなく、臨時に開催するなど迅速に検証を行い、関係医療機関への指導を図るなどの対応を求めた上で、「事態が収まり次第、速やかに、通常の診療である対面診療に戻し、安全で安心できる医療の本来の姿を取り戻すべき」としています。

ただ今回の規制緩和は感染が収まるまでの時限措置であることに対し、ロコクリニック中目黒(東京・目黒)の瀬田宏哉医師は「新型コロナ収束後もオンライン診療を活用できるよう、国は制度整備を進めてほしい」と訴えていることを、日経新聞には紹介されています。

日本ではオンライン授業が進まない

文部科学省が言うのには、「教育機会の平等」を全面に、パソコンやスマホの有無、ネット環境の家庭格差により、子どもたちが等しく同じレベルの授業を、オンラインでは提供できないとうのが、オンライン授業反対派の強い主張です。

ただ、海外ではオンライン授業が進んでいて、学校休校状況でも、海外では家庭で授業を行えるのに対して、日本では休校は「単なる休み」となっていて、まさに世界的に教育格差で日本は、間違いなく後進国に追いやられているでしょう。

     黒板とチョークで授業しているのは日本だけ…

乙武洋匡氏が海外視察で感じたことだそうです。

乙武氏によれば

    オンライン授業とオンライン教育は違う…

つまり、前者は、現在の休校時に遠隔で行う授業で、海外でポピュラーな言葉で言えば「リモート授業」のほうがしっくりと来るでしょう。

それは医療でもテーマに取り上げた「オンライン診断」や、在宅勤務などの「テレワーク」も、それぞれ、遠隔という意味では「リモート診断」「リモートワーク」と表現したほうが世界共通の言語になるのでしょう。

後者は、同じ教室の中でテクノロジーを駆使した授業、電子黒板がポピュラーでしょうが、例えば、子どもたちが一人ひとりタブレットを通じての授業を行うなどの常用を指すと、乙武氏は指摘しています。

コロナ収束後の画稿の風景はどうあるべきかを論じるとき、オンライン教育はどんどん勧めていくことには、あまり異論は出てこないように思えます。

もっとも予算の問題があり、文部科学省、地方自治体、更には学校側で、どれだけ本気で取り組んで予算をつけるかに、オンライン授業が発展するかどうかは決まります。

教育のデジタル化とでも言うのでしょうかね。

遠隔授業に関しては、どうしても「リアル教室授業 vs リモート授業」という構図になっていますが、この併用、ハイブリッド授業で、リモート授業を推進していく方法もあります。

ただしリモートは必要と思っているかどうかです。

その判断が教員の質、つまりリモートに教員が馴染めないとか、リモートツールが使いこなせないことが、導入反対の理由にならないで欲しいです。これ以上、教員の業務を増やしたくないとかを全面に出すと議論にはなりません。

子どもたちの教育にとって必要かどうかを考えてほしですね。

その観点で、文部科学省内部では、リモート授業(区別のためにこの表現を使いますが)を否定する動きも見られます。

家庭におけるパソコンの有無、スマホの有無、ネット環境の違いで、教育が平等に行えな意という理由で、リモート授業推進が進まないようです。

そこはタブレットやwifiルータ貸与なりで、何らかの措置を取ることを考えるかどうかで、世界は間違いなくリモート授業、オンライン教育では、日本のはるか前を走っているのは確かです。

詳しくは「ら・ぽ~るマガジン」で…

今回ご紹介した「オンライン診断」「オンライン授業」に関しての考察は、毎週月曜日配信の有料情報氏「ら・ぽ~るマガジン」の抜粋です。

月額324円、初月は無料となっています。

今日配信した「2020.05.18号」から一部を抜粋しました。更に詳しい内容は、是非ご購読して読んで下さい。過去記事もお送りしています。

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