格差社会を考える~5つの格差

かつてトマ・ピケティというフランスの経済学者の本が話題を集めました。「21世紀の資本(Le Capital)」で、世界的規模での格差の是正がテーマとなっています。かなり分厚い本ですが、内容を要約して解説している本も出ています。

格差をどう捉えるか、不公平と感じる人もいれば、努力の結果の差と感じる人もいます。

今話題の英語検定試験を大学受験に採用する話では、受験生には家庭による経済的な違いは関係なく、受験というい部分ではどんな人でも平等であるべき話ですから、文部科学省がトップダウンであのような受験制度を押し付けること自体が間違っているという意見があります。

このことは「不公平」であり、あってはならないことです。

「不公平」とは別に、努力の結果生じる「差」を「格差」と呼ぶのはいかがなものかとも思います。能力の差により生じる経済的な差は、社会的に悪なのでしょうか。そこは議論の余地がありそうですね。

「フェアー」であることが大前提で、「アンフェア」を必要悪とは捉えたくはありませんし、それを「慣習」の名のもとに受け入れたくはありませんが、努力の結果生じる差は受け入れるべきでしょう。

資産格差

「格差」と聞いて最初に思い浮かべるのが「資産の格差」でしょう。

資産を最初から持っている人と持っていない人、これは生まれながらにして格差は生じています。一般的には地主さんのような土地を持っている人とそうでない人というイメージですね。

でも、この格差は妬みと背中合わせのような気がします。

ピケティ氏は、資産を持っているだけで得られる利益と、労働により得られる利益に大きな差が生じ、労働からの利益よりも資産から得られる利益が大きいことに対して問題提議をしています。

ただ資本主義では、資本収益と労働収益に差が生じるのは、ある程度は容認しなければならないと思いますし、見方を変えれば、頑張って資産を持てるようにしようという発想を持つという、前向きなマインド設定も必要かなとも思います。

投資や運用から得られる利益は努力の結果です。これはリスクを取った人とそうでない人の間に資産格差が生じるのは、仕方がありません。リスクを取った分、マーケットからご褒美をもらったと解釈すべきでしょうね。

ただ労働収益が増えないのもいかがなものかと思います。でもこればかりは私たちの力ですぐにどうこうなる話ではないですからね。私たちがが働くことに対する考え方を変えるとか、パラレルキャリアを考るとか、ん~~難しいですね。

この資産格差は、私達が今後、いかにリスクと向き合うか、運用と向き合うかで大きく変わってきます。当然努力は必要です。

賃金格差

前段の流れから来る「賃金の格差」です。

これは働き方によるもので、付加価値を高める労働賃金は高く、単純労働ほど賃金は低くなってきます。

労働環境はAIとのからみもかかわってきますね。

単純労働は、今後AIに取って代わることになり、AIでもできることに対する対価は、当然低くなります。

機械化がすすみ、生産工程でオートメーション化やロボット化が進む中で、人間でなければならないものをうち出せる労働にはそれ相応の対価が支払われるというものです。

労働現場にも競争の原理が働きます。TPPによる海外労働者の流入により、安い賃金労働者と競争される職種は、当然賃金は低くなります。

より高い賃金を求めるには、自分の価値を高めなければなりません。そこに努力した人と努力しなかった人の間に格差が生じることは受入れなければならないでしょう。

同一労働同一賃金の発想は、「時間売り」の働き方の発想が根底にあると思います。時給感覚ですね。

成果型、知恵を絞りだして付加価値を与える働き方が求められるといわれています。ん~~難しいですね。でもこれは真剣に考えなければならないこでもあります。

老後の格差

「老後の格差」、上記2つの格差から生じるものと理解します。資産形成、仕事への向上心の有無により得る賃金格差の結果、老後生活がどうなるか、そこまでに至る行動や考え方で異なるものです。

今の年金制度が未来永劫安心と言えるのかどうか、そのための別の準備をしていたのかどうかで、老後生活の格差は生じます。

制度依存体質からの脱却という発想になれるかどうかで、老後格差は決まります。自ら動くかどうかです。

賃金格差を受入れ、もう一つの収入源を模索するかどうかもポイントになります。それは副業であれ、投資や資産運用であれ、給与以外の収入源の確保が大事だということです。

つまり、多くの格差は、自らの行動や考え方で、受入れられるようになるのです。

医療の格差

ただどうしようもない格差もあります。「医療の格差」です。

自由診療枠が拡大すれば、お金を持っている人と持っていない人の間では治療の質が変わってきます。医療現場に資本主義の論理が導入されるのです。

これは私達ではどうしようもできません。ただただお金を持っているか持っていないか、それだけです。

知識の格差

最後に「知識の格差」です。

勉強し知識を得ようと努力している人とそうでない人、これからの世の中を生きていく上で大きな格差が生じるでしょう。

格差は「ねたみ」で理解してはいけません。格差を受入れる、前向きに取り組む姿勢が大事と言えます…

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