フェイクフード…植物肉を日本ハムが「NatuMeat(ナチュミート)」のブランド名で…

食肉国内最大手の日本ハムが2020年3月、植物性の材料を使う「植物肉」市場に参入します。大豆を主原料にしたハムやソーセージ風の商品を発売するとのことです。

「NatuMeat(ナチュミート)」のブランド名で、家庭用と業務用の植物肉を展開するとのことで、家庭向けに加熱しなくても食べられるハム(希望小売価格は6枚で税別217円)のほか、ソーセージやハンバーグなど5品目を3月に発売します。

そもそも「植物肉」とは、「フェイク・フード(偽食品)」と呼ばれるもので、動物の肉を使わずに、動物肉とおなじ食感や味を再現する「代替肉」のことです。

「代替肉」は、大豆など植物由来のものをベースにした「プラントベースドミート(植物肉)」や、ラボベース、つまり牛や豚、鶏などの家畜から細胞の一部を取り出し、バイオテクノロジーを駆使して肉の味や食感を人工的に再現した「培養肉」までさまざまです。

スイスの金融大手UBSによると、2018年に5000億円だった植物肉の世界市場は、2030年には9兆円を超える見通しだとしています。

その背景には環境問題と健康志向がありそうです。

この数年、急に植物肉やら培養肉なるものが出てきた背景には、急にベジタリアンが増えたわけではなく、パーセプション(認知)の浸透と植物肉の技術の進歩、そしてマーケティングなのだろうと思われます。

牛一頭育てるのにどれだけの餌を与えなくてはいけないのか、今後、増大する人口に見合う食肉を生産し続ければ食糧問題だけでなく、地球環境問題にも影響する、という発想が根本にあるのだろうと思われます。

もう一つは動物性由来のアレルギーがなく、狂牛病のような病気もないということへの安心感もありそうです。

動物の肉でない肉、代替肉が注目されるようになった背景を整理しますと…

   ・動物保護
   ・地球上の人口増加に伴う食用動物肉供給不足懸念
   ・健康志向の高まり
   ・地球環境への配慮

人間は、消費カロリーの3割を牛肉、鶏肉、豚肉などの肉製品からとっているとされています。世界の食肉市場の規模は1兆8000億ドル(約200兆円)相当に上るとも言われています。

2018年の米国人1人あたりの赤身肉と鶏肉の消費量は約220ポンド(約99.8キログラム)と過去最高に迫りました。米農務省によると、1960年には167ポンド(約75.7キログラム)だったとのことです。

農務省のデータでは2018年の米国の食肉生産量も1000億ポンド以上と過去最高に達し、驚くほど多くの動物が食肉用に飼育されているということです。米国全体では約3000万頭の牛が飼育され、アイオワ州だけでも2000万頭以上の豚が飼われています。

この急増する需要を満たすため、食肉産業は、農場や飼育場に加え、加工や貯蔵センター、輸送や物流、食肉処理場などの食肉仲介業者が関与する複雑なグローバル事業へと進化していっています。

食肉業界では注目度の高い買収が相次いでいる一方、事業や倫理、環境に対する懸念を巡る課題は増えています。

一方、テクノロジーを使って研究室で肉を開発したり、プラントベースド(植物由来の原材料を使った)製品から肉をつくったりするスタートアップ企業の人気が高まっています。

2019年には代替タンパク質の代表格で、植物肉を使った「ビヨンド・バーガー」を手がける米ビヨンド・ミート(Beyond Meat)が企業価値15億ドル弱で上場を果たしました。

大手バーガーチェーンの米バーガーキングは、看板商品のミートレス版「インポッシブル・ワッパー」を発売しました。これは牛肉の代わりに米インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)が生産する植物肉を使ったハンバーガーです。

米カリフォルニア州レッドウッドシティーに拠点を置くインポッシブル・フーズの株式発行を伴う累積資金調達額は、公表ベースで7億ドル以上に上る。直近の資金調達ラウンドにより、企業価値は20億ドルになりました。

人口増加や中間層の台頭を背景に肉の消費量が増え、将来の食料不足への懸念から取り組まれた、動物由来の食材や成分を使わない「ミートレス」は、植物由来の原材料で作る「プラントベースドミート(植物肉)」だけでなく、肉の代わりのたんぱく源として昆虫食を開発するスタートアップが注目されています。

「ミートレス革命」は、温暖化ガス排出削減や土地利用の減少、水の使用量削減など、環境保全への効果が注目され、ますます広がっていくことでしょう…

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