アベノミクスを検証する・・・「三本の矢」と「消費税」

アベノミクスの検証報告が、立憲民主党から提出されました。昨年の話です。

「『お金持ち』をさらに大金持ちに、『強い者』をさらに強くしただけに終わった。期待された『トリクルダウン』は起きず、格差や貧困の問題の改善にはつながらなかった...」(立憲民主党 アベノミクス検証委員会)

江田憲司衆議院議員、落合貴之衆院議員らを中心に党内で設置された「アベノミクス検証委員会」による報告書「アベノミクスの検証と評価」が、枝野幸男代表(当時)に正式に手交されました。

トリクルダウンはなかった...

これは、今後の経済政策を考える上で、重要なキーワードになります。後で検証する「新自由主義」の根本を覆すものになってきます。

この報告書、作成における直近データ、及びその解説は、立憲民主党ホームページに詳しく記載されています。

https://cdp-japan.jp/news/20210921_2145

アベノミクスと言えば三本の矢

1,大胆な「金融緩和」
2,機動的な「財政出動」
3,民間需要を換気する「成長戦略」

それぞれについて、立憲民主党は…

第一の矢「金融政策」
円安誘導により株価は応召したことは確かで、輸出産業中心に収益増となったが、物価目標2%は達成されなかった...
「異次元緩和」は、何度も行うものではない。効果は薄れ副作用が強くなる。
地方銀行経営悪化、官製相場になる...
出口戦略が見通せない...
第二の矢「財政出動」
需要喚起どころか、2度の消費税増税で景気腰折れとなる...
第三の矢「成長戦略」
IR(カジノ)誘致、五輪開催(無観客)が成長戦略か...

報告書はもっと詳しく書かれていますが、立憲民主党が指摘していることにも、少し疑念を抱くところもあります。

そもそも消費税率引き上げは、民主党政権時代の菅政権でうち出したもので、野田政権では、三党合意で消費税率引き上げを約束したものです。

基本的に民主党は、財政改善のための消費税増税路線を取ってきています。

消費税そのものを考える…

ここで、少し脱線しますが、次期衆議院選挙に向けての野党共闘の条件として、消費税率を「5%」に引き下げることを共有しています。

もともとれいわ新選組は「消費税廃止」を訴えていましたが、立憲民主党が期間限定ではありますが、消費税率「5%」に引き下げることで、山本代表は、野党共闘のテーブルに付くことになりました。

そもそも、消費税を導入した目的が「直間比率の見直し」でした。

税収割合において、所得税などの直接税の方が、消費税のような間接税よりも比率が高く、税収が直接税に偏りすぎて安定しない(所得税収などは経済状況で増減しやすい)から見直そうというものでした。

財務省ホームページ資料によれば、2018年度実績額では直間比率(国税+地方税)は「64:36」となっています。

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a03.htm#a05

海外比較の表があり、米国は「76:24」、英国「57:43」、独国「55:45」、仏国「55:45」となっていて、日本は欧州諸国はと比べれば、確かに直接税に偏っていると言えますが、米国と比較すれば、むしろ米国のほうが直接税に偏っているということになります。

どれくらいの数字にすれば、理想的な直間比率になるのでしょうか。

ようは、税を取りやすいところが取ろう

毎年の税収を安定させよう...

それが消費税なのです。

それが、消費税は、広く国民が負担する安定した税収となるので、長く維持しなければならない社会保障などの財源にはちょうどよいという論理になっています。

ところが、消費税が社会保障制度維持に使われていないのではないかという指摘があります。

民主党野田政権時に、当時の民主党・自民党・公明党の「三党合意」で、消費税率を引き上げる代わりに、消費税を社会保障制度維持のために使う目的税化にすることを約束していたのですが、自民党が政権を取ったら、この約束は守られませんでした。

消費税の一般財源化、つまりプライマリーバランス(政府支出を国債発行なしで税収の範囲で賄う)改善のために使われているのではとの指摘があります。

もともと逆進性、つまり低所得者ほど税負担感は重くなるのではと言われている税制度なだけに、社会保障維持のために消費税が使われないなら、消費税のあり方を見直すべきだという議論が起こってもおかしくないのですが、もはや「社会保障制度維持のためには消費税は必要」ということが、広く国民にも刷り込まれているものですから、たとえ今は消費税が一般財源化していても、消費税をなくす議論には結びつかないのでしょう。

事実、立憲民主党も、自民党総裁選挙に立候補した岸田文雄元政調会長も、いずれは「増税やむ無し」という立場をとっています。

自民党岸田派は、宏池会の流れをくむ伝統あるな派閥ですが、昔から財務省とのつながりが強く、増税を主張してきた経緯があります。

増税か経済成長か
経済成長を重視したら格差が広がる
でも増税はいやだしなぁ~

ここで、経済政策として取られれきた「リフレ派」、つまり経済成長をすれば自然と税収は増えるとする今までの考え方が正しいのかどうかが問われてくるのです。

新自由主義と呼ばれる政策が正しかったのかということが、これからの日本における経済政策のあり方に関わってくるようです。

ちなみに、宏池会の流れの岸田文雄総理は、「脱新自由主義」を掲げています…

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