OECD“ 2年に一度”の「対日経済審査」公表 金利引き上げ、定年制廃止などを提言

OECD「経済審査報告書」とは…

経済協力開発機構(OECD)は11日、2024年版の対日経済審査報告書を公表した。

例のごとく、「経済審査報告書」についてchatGPTに聞いてみました。その答えが以下のものです。

OECD(経済協力開発機構)の経済審査報告書は、各加盟国や非加盟国に対する経済に関する定期的な審査や評価の結果をまとめたものです。これは、経済政策、規制、市場機能、労働市場、環境政策など、幅広い領域にわたる情報を提供します。審査は、該当する国の経済に関する健全性や持続可能性を評価し、政策提言や改善点を指摘することを目的としています。

OECDは、加盟国や非加盟国との協力を通じて、経済成長、雇用、環境などの面で国際的なベストプラクティスを促進することを目指しています。経済審査報告書は、これらの目標に向けた具体的なアクションや政策の改善をサポートするために提供されます。

なるほど、的確な説明ですね。

日本経済の評価(HP引用掲載)

https://www.oecd.org/tokyo/newsroom/japan-needs-to-rebuild-fiscal-space-address-population-ageing-and-reinvigorate-productivity-growth-japanese-version.htm

日本経済は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックから回復したものの、世界貿易の見通しの弱さから、新たな課題に直面しています。財政の持続可能性の確保と生産性の向上、そして急速に進む人口高齢化による経済的・社会的影響への対処に、今こそ政策の焦点を当てるべきです。

GDP成長率は、世界的な不確実性が外需の重しとなる一方、主に内需によって牽引され、2023年の1.9%成長の後、2024年は1.0%、2025年は1.1%と着実に伸びるとみられています。消費者物価上昇率は、政府の補助金が終了し、賃金の伸びが勢いを増すことから、2023年の3.2%から2024年には2.6%まで緩やかに下落し、2025年には2.0%で安定すると予想されています。過去約30年で最も高い直近の春闘の結果は、物価の上昇が賃金と消費の増加につながって、インフレ率が政府目標の2%近くで安定するという好循環に入っていくことを示唆しています。

公的債務総額は、パンデミックとエネルギー危機を通して幅広い公的支援が提供されたことにより、2022年には対GDP比245%という空前の水準に達しており、2024年は243%、2025年は242%と、今後数年間はわずかな下落にとどまることが予測されています。財政余力の回復と、債務の持続可能性の確保を優先する必要があります。日本には、歳入の増加と歳出の効率化を含め、公的債務残高を減少軌道に乗せるための信頼できる中期財政健全化戦略が必要です。

歳出の増加を抑制するには、資力調査に基づく富裕層高齢者の自己負担増や、介護の病院以外への移行など、医療・介護制度改革が必要です。歳入を増加させるためには、現在OECD諸国の中で最低水準にある消費税(付加価値税)率を段階的に引き上げるべきです。

投資に対する財政支援制度の改革は、生産性と潜在的成長率を高める上で重要な役割を担う小規模な企業やスタートアップ企業のイノベーションを促進するでしょう。研究開発投資に対する公的支援は手厚いものの、公的研究部門と民間部門との協力強化と、イノベーションのより幅広い拡散が求められています。小規模ベンチャーキャピタルのようなイノベーション資本の状況を改善し、企業の合併買収(M&A)の活用を奨励することも有益です。

以下、OECDが日本に行ったいくつかの「提言」をまとめます。

YCC修正

2024年版対日経済審査報告書では、インフレ率が安定的に目標の2%程度で推移することを前提として、日銀はイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の運用の柔軟性をさらに高め、緩やかな政策金利の引き上げを開始すべきだと提言しました。

OECDは、日本の物価が2%程度で定着するとみており「2024年のマイナス金利政策の解除を正当化できる」と語っています。

消費者物価指数が2024年は前年比で2.6%、2025年は2.0%プラスで推移するとみていて、この前提が維持される限りは「2024年初頭から政策金利を段階的に引き上げることは正当化される」と記しました。

いまの長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)1%が“めど”の10年物国債の金利上限の引き上げや、金利操作の対象を現在の10年より短くすることを修正案として示しています。

財政赤字への懸念

新型コロナウイルス対策やエネルギー高対策を段階的に廃止し、財政赤字の削減を進めるよう求めています。

コーマン事務総長は東京都内で記者会見し「コロナ対策などの財政支援は当時、必要だった。だが、現在は転換期を迎えており、構造的な財政改革が必要だ」と述べています。

報告書では、新型コロナ感染拡大や資源高への対策で日本政府の支出が増え、2022年には国内総生産(GDP)に対する公的債務の比率が245%に達したと指摘しています。

日本政府はコロナ対策などの財源に充てるため、補正予算を編成したり、予備費を活用したりしてきましたが、財政健全化のためには補正予算の編成や予備費の活用は大きな経済的ショックがあった時に限るべきだとも訴えています。

日本政府の債務残高は、主要7カ国(G7)で最も高い水準にある。「金利がある世界」になれば利払い費は膨らみ、財政政策の余地は狭まる。危機に備え、消費税の段階的な引き上げなど歳出・歳入改革による財政余力の確保も促しました。

定年制廃止提言

また、定年制廃止の提言も行っています。

人口が減る日本で働き手を確保するための改革案として、定年の廃止や就労控えを招く税制の見直しで、高齢者や女性の雇用を促すよう訴えました。

人手不足で労働市場は逼迫するものの、非正規労働者の多さが平均賃金を押し下げかねないとの懸念も示した。2%の物価上昇が続くかどうかは「部分的には賃金の伸びにかかっている」と訴え、労働市場の改革も求めています。

これら成長維持に向け、現実を直視した対応が求められます。

脱炭素

日本が2050年までに温室効果ガス排出量ネットゼロを達成するのはチャレンジングな課題です。

まだ費用効率が良くない革新技術や、原子力発電を見込んだ排出削減策の貢献度には不確実性が伴っています。

エネルギー源の開発に関する複数のシナリオを描き、不測の事態に備えて計画を改善することが重要です。

そのためにも、電力網の強化によって、電力供給における再生エネルギーの比率を高める現行の取り組みを補強する必要があります。

再エネ利用促進へのインフラ投資や、カーボンプライシングの迅速な導入を提言します。

岸田政権は、企業へのCO2排出権取引への積極的参加を促しています。

このたび政府は、総額20兆円の脱炭素支援をてこに、企業に排出量取引制度への参加を求めています。企業が自ら判断している現状に対し、政府の支援を受ける要件にして実効性を高める狙いです。

温暖化ガスの排出削減で業種別の指針をつくり、それに基づく目標を達成できない企業には指導や勧告を検討します。

経済産業省はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法の改正案を、2025年の通常国会に提出する方向で、こうした対策を盛り込むこととしています。

対日経済審査の主な提言(まとめ)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA10CXZ0Q4A110C2000000/

日経新聞より

・マクロ経済
物価2%を前提とした政策金利引き上げ
予備費の抑制や独立財政機関の設置
段階的な消費増税などの税収確保

・脱炭素
再エネ利用の促進へのインフラ投資
カーボンプライシングの迅速な導入

・人口減への対応
非正規雇用者の費用保険の適用拡大
定年制廃止による高齢者就労底上げ
同一労働・同一賃金の徹底

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