コロナ医療現場で活躍するサービスロボット…無人検体運搬自動車に食事配膳ロボット

新型コロナウイルス感染対策の最善の方法は、人と接触しないことだと言われています。人との接触を極力回避することで、感染者拡大を防ぐことができるとされています。

日本では、人との接触を普段の8割に減らそうとしています。そうすることで、新規感染者数を減らそうとしていますが、専門者委員会の見立てでは、8割減らさなければ、感染者数増加をとめる事ができないとしています。

ところが医療関係者だとか団体職員など、どうしても人と接触しなければならない職業も多くあります。

完全にこの8割という数字を実現するのは、かなり難しいとも言われています。

ここで注目されているのが「サービスロボット」の存在です。

人間ではなく、このロボットが医療現場で感染者対応をすることで、医療現場での人手不足にも役にも立つだけでなく、医療現場で働く人の感染リスクをおさえることができます。

世界では、医療現場において、無人で業務を行うことが試されていて、すでに活用されている場面もあります。

米国での検体搬送無人自動車

日本以上に感染者が多く、医療現場が疲弊している米国では、サービスロボットの活用に関する実証実験が行われています。

米国では、コロナ現場病院と民間企業の間で、検体運搬をシャトル便で行う、それを無人自動車で運搬する実験がなされています。

ワンボックスカーに感染力の高い新型コロナウイルス検体を運ぶ、それが無人自動車であることから、それまで輸送に携わっていた医療現場のスタッフの負担が減らせる。検体を輸送するためのスタッフを極力減らすことで感染リスクが抑えられ、輸送していた時間分を医療スタッフは現場に集中できる。さらに無人自動車は機械だから、人間と違い24時間働き続けられます。

無人自動車は輸送中、司令センターから常時監視され、それと同時に、後ろから車でスタッフが追従し、事故が起こらないように配慮されるようです。

医療に携わるスタッフの負担を減らす…実際に米国の総合病院Mayo Clinicで行われています。

無人自動車を製造するBeep社などと協力し、3月30日から4台の無人自動車で検体の輸送を実験中です。その映像はこちらです。

無人化が大きく進んでいるのが中国

中国・広東省の広東省人民病院感染症病棟で1月29日、患者に食事や薬を届けるロボット「平平」と「安安」が登場しました。

「平平」と「安安」は、医療廃棄物や衣類の回収のほか、薬や食事の配達を担当しています。地図や作業環境を自ら識別し、情報データを蓄積し、配送や回収をする各地点を結ぶルートをつくり、効率よく移動します。

感染病棟は医療スタッフと患者間の感染リスクが伴うため、ロボットの活用でリスク軽減が期待されています。

現在、一部の無人車両は武漢および中国各地の街中や病院でひそかに導入されつつあります。これらの車両は、街中で荷物の配達を行ったり、病棟の消毒を行ったり、隔離病棟で食事の配膳を行ったり、医療スタッフをサポートして問診を行ったりしています。

新型コロナウイルスの流行が広がった後、「京東物流(JD Logistics)」は北京からL4クラスの無人配送車2台を緊急に手配して武漢へ運び、技術者が北京からクラウドプラットフォームを通じてリモートで車両の配置を行いました。

京東物流X事業部自動運転研究開発部の責任者である孔旗氏によると、無人配送車が武漢へ届けられた後、現場での調整はすべて現地の配送スタッフが行い、2-3日後に実際の配送業務を開始しました。

データによると、武漢第九医院から毎日10~20件の注文があり、そのうち50~70%は無人配送車で配達されています。配達物が大きく車両の荷物スペースに入らない場合に限って、配送ドライバーに配達を依頼しているとのことです。

無人配送車が投入されているのは武漢だけではありません。

バイドゥ(百度)が主導する自動運転の開発連合「アポロ計画(Apollo)」のパートナーである智行者が寄贈した3台の無人配送車が、上海の2つの病院と北京の1つの隔離拠点で正式に採用されました。

これらの無人配送車はフル充電から6~8時間連続して仕事をすることができ、人間が歩いたりジョギングしたりする速度(時速5-10キロ)で移動ができます。

ただどのような無人機でも導入と使用には、社員と現地の作業員が現場に行って配置と調整を行う必要があり、この作業にはリスクが伴うとも言えます。

同じくApolloのパートナーで無人車両を開発する「新石器(neolix)」は、2台の小型無人搬送車を武漢へ送り、感染症対策業務を行う準備を始め、新石器と智行者がそれぞれ開発した無人搬送車と無人消毒車が、北京の隔離拠点へ到着し、隔離エリアでの消毒と食事の配膳に利用されています。

「広州賽特智能(SAITE)」が開発したサービスロボットは広東省人民医院で、薬の配達、食事の配膳、医療廃棄物の回収などを行い、医療スタッフをサポートしています。

ロボットは自ら充電を行い、扉を開閉したりエレベーターへ乗ったりすることもできるほか、消毒機能も搭載されています。

高精度位置情報サービス企業「千尋位置(Qianxun SI)」の「ドローン感染対策プラットフォーム」によって、3機のドローンが上海市楊浦区の住宅地へ派遣され、それぞれのドローンが1回あたり10~15リットルの消毒液を噴出し、1時間で1万平方メートルの消毒作業を完了しました。

未来汽車日報が公開されている資料を整理した結果、現在現場で働く無人機の中で、医療スタッフをサポートするために室内で働くロボットは多いが、低速の無人配送車や消毒車は少ないようです。

この配膳サービスに関しては、医療現場ではないですが、中国の不動産開発大手の碧桂園(本社:広東省仏山市順徳区)は1月12日、傘下の千璽ロボット飲食集団(中国語:「千璽機器人餐飲集団」)を通じて、調理や接客、注文、配膳のサービスをロボットがこなす広東料理のレストラン「機器人中餐庁」を広州市で開業しました。

店内は、客席と厨房(ちゅうぼう)が透明ガラスで隔てられ、利用客は食事をしながら厨房の調理ロボットの動作をはっきり見ることができます。

無人の厨房には32台の炒めロボットのほか、鍋物や蒸し物、揚げ物、カクテル、デザートを調理するロボットまで合計46台設置されています。

利用客はスマートフォンで座席のバーコードをスキャンしてオーダーし、ロボットは自動的に調理を開始、調理時間はハンバーグが90秒、炒め物が5分、鍋物は20分などとあらかじめ決められており、でき上がった料理は天井にあるベルトコンベヤーか配膳ロボットが客席まで届けることになっています。

中国でも少子高齢化が進んでいて、スタッフの募集が難しく採用しても定着率が低いという事情があり、その解決方法としてロボットの活用が課題解決の手段とsh手発展している背景があります。

日本ではどうなっているでしょう…

日本ではZMP社開発の物流支援ロボットCarriRo®が、軽症者等の宿泊療養を受け入れる施設や民間のホテルで、無人物資搬送のために採用されています。

宿泊フロアへの搬送をCarriRo®が無人で行うことにより、職員が当該フロアに行かずとも物資を搬送することが可能です。

弁当や家族からの差し入れ物を運んでくれることで、各自治体の職員の業務軽減や、職員の二次感染防止が期待されます。

さらに、は、自動走行による無人パトロールしたり、無人で消毒液を散布したりする機能を備えた「自動運転警備ロボットPATORO®(パトロ)」という小型ロボットも活あります。

歩行程度の速度で自動運転しながら、豊かな表情や音声により周りの人とのコミュニケーションをとることでで、人との共生することができるようになります。

コロナ対策として、「リモート」による社会のあり方の変化に加え、ロボット技術の積極的活用も進むと思われます。

これからますます、サービスロボットが社会に溶け込んでくる世界が訪れる、まさに栄華の世界が現実になってくるようですね…

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