6G規格策定で巻き返し、総務省は10年後に向けて今から総合戦略始動…
2030年ごろの実用化が見込まれる第6世代通信規格「6G」を見据え、総務省が今年夏、国際標準規格の獲得に向けた総合戦略(ロードマップ)をまとめます。
この春に商用サービスが始まる「5G」を巡る規格策定は、中国勢などに出遅れたとの指摘もあり、10年後の巻き返しを図るとしています。
高市早苗総務相は21日の閣議後記者会見で
国際標準策定プロセスに我が国が深く関与するため、
早期に取り組みを開始することが必要だ…
と述べ、五神真・東京大学長を座長とする有識者会議を27日に発足させます。
NTTや東芝なども交えて官民で協議し、6月に総合戦略をまとめるようで、6Gで求められる性能や技術開発が必要な分野、政府の支援策などを検討するとのことです。
5Gインフラ競争には負けたと、政府は認めているのですね。
国際的な通信規格は、国際連合の専門機関「国際電気通信連合」や民間標準化団体「3GPP」が決めます。
規格獲得は、自らの技術を普及させられるかを左右する重要な要素ですが、携帯電話の利用が主流の従来規格と違い、5Gは自動運転や工場、建設現場など産業用途が拡大しました。標準規格も多様化しており、通信業界だけでは対応が難しくなっています。
調査会社サイバー創研によると、5G構築に必要な基幹技術の特許出願は、2010年ごろから活発化し、米国・クアルコム、中国・華為技術(ファーウェイ)、韓国・サムスン電子が上位を占め、日本勢は、NTTドコモの6位、シャープの10位にとどまりました。
近年は5G関連の技術開発や標準規格を巡る動きは一段落しており、各国とも6G開発に重心を移しているとのことです。
5Gは、「超高速」「低遅延」「多接続」がポイントですが、今後、IoTがより一層複雑になったり、データ需要が大幅に増加したりすることで、ネットワークへの負担が増大する可能性がまし、5Gでは対応できなくなるという指摘があります。
ITU(国際電気通信連合)においては、2030年の6Gネットワーク実現に向けた技術研究グループ(FG NET-2030:Focus Group on Technologies for Network 2030)の構築が始まっています。
各国の6Gへの動きを見てみますと…
米国では、トランプ大統領が6Gインターネット技術の早期実現への期待を
ツイッターで述べているという状況
フィンランドでは、6Gの開発プロジェクト「6Genesis」を立ち上げ、
6Gの時代に対応しようとしている
中国では、工業情報化部IMT-2020(5G)無線技術開発グループの
リーダーが、6Gの開発が2020年に正式に始まり、
2030年に商用化される見通しとコメント
韓国では、LG電子が6G研究センターの設立を発表…
6Gの技術により、伝送容量(伝送可能な情報量の上限)は、最低毎秒10ギガビット(5Gの場合)から毎秒100ギガビットへ増加します。通信遅延は、1ミリ秒から1ミリ秒未満に、接続密度は100万台/平方キロメートルから1,000万台/平方キロメートルとなります。
5Gに比べて超高速化が進むようですが、通信に必要なモジュール(構成要素)があらゆるものに溶け込むため、人々がバックグラウンドでの通信を意識することなく情報処理が行われるようになるとされています。
6Gでは、Holoportaion、物体を遠隔地にリアルタイムかつ精密に出現させることが、よりリアルに、あたかも目の前に居るかのように表現できるようになるそうです。
5Gでも、遠隔地にいる人を、3D映像として別の場所へ移動させることはできるようですが、あたかも目の前に居るかのようなリアル感を実現するには、6Gを待たなければならないそうです。
いずれにしても、4Gから5Gになるだけで、これだけ想定されてる世界は変わろうとしていて、インフラもそうですが、ものの動きや社会構造を大きく変わるものが、6Gになると、いったいどうなるのでしょう。まだまだ想像が追いつかない状況なのかもしれませんね。
すでに世界各国が動いている中で、はたして日本は6G規格策定で、主導権を握ることができるのでしょうか。
ちょっと前まではアニメの中だけの世界観が、今では現実になっていることが多いのが4Gの世界であり、これからの5Gの世界ですが、6Gになると、いまのアニメの世界は全て、リアルな世界でも展開できるようになっていることなのでしょうね…