茨城県立日立一高3年生有志のストライキが休校を勝ち取った この動きは北海道でも大分でも…

茨城県の大井川和彦知事は13日の記者会見で、県内全ての県立学校を4月14日から5月6日まで休校にすると発表しました。

安倍総理によって緊急事態宣言が出された後、茨城県では「教育崩壊を防ぐ」として多くの県立校を休校にしませんでした。土浦市などの東京や千葉に近い10市町の学校は、8日から休校にしていましたが、水戸市など他の地域は授業を継続していました。

これに、新型コロナウイルスの感染拡大を不安視する声が茨城県の高校生にも広まり、県立日立一高(日立市)の3年生有志が県内全ての県立高休校などを求め、「ストライキ」(同盟休校)を決行したのです。

ストを行った9日は、同高3年の3分の1に当たる約80人が賛同し、登校しませんでした。

ストの「通告書」は県教育委員会と日立一高などに送付され、そこには、「学校現場に関わる人すべてを守ることは明らかに緊急性を要している」と訴えていました。

ストは8日から10日までの3日間、この間、有志代表者は学校や県教委と話し合い、その他の生徒は自宅学習に取り組んでいました。

スト通告書は感染拡大への危機感を強調しています。

同高生が広い範囲から公共交通機関で通学する実態を踏まえ、他高と同時刻の時差登校では十分な予防策にならないと指摘し、さらに、一部の県立高に限定された臨時休校措置については「事実上の教育格差が県内で生じるべきではない」としています。

県には生徒の声にも向き合ってほしいと要望していて、多くの人たちも要望書の愛用を褒め称え、共感するこえも多くありました。

マスクなどが十分に確保でき、校内で予防できる状況になるまで、全県立高を臨時休校とすべきとし、オンライン授業などの仕組み構築や休校に関する基準の策定も求めています。

有志の生徒たちは、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を活用して同高3年生に賛同を呼び掛け、スト通告書は県教育委員会などに7日、ファクスで送付しています。

8日は30人以上、9日は約80人がストに賛同し登校しませんでした。

有志代表の生徒は「オンライン授業などとセットでなければ不安があっても登校するしかない。人の命が懸かっており、ストという手段を取らざるを得なかった」と話しています。

大井川和彦知事は6日の記者会見で、感染懸念で登校を希望しない生徒も「欠席扱いとしない」と述べていました。

そして、この高校の行動が県を動かしたのです。

大井川知事は、高校生有志がストライキに踏み切るなど反発が強まったことを踏まえ、方針転換したのです。

大井川知事は「(13日に)外出自粛要請を全県に出したことに伴い、(全ての県立校を)対象にした」と理由を説明しました。

彼らのような動きは全国でも見られ、北海道札幌市では、新型コロナウイルスの感染拡大による休校措置が終わり、新学期から一部の学校を除いて授業が再開された中、札幌創成高校の生徒などで作るグループは9日に道庁を訪れ、鈴木知事と北海道教育委員会に宛てた休校を求める要望書と、インターネットで集めた2442人分の署名を提出しました。

署名活動の発起人である札幌創成高校の2年生の道免慶大さんは「多くの生徒がいる教室で密集しない環境を作ることは難しく、学校に通うのはとても不安だ。子どもの安全を守るために学校に通わせるのはやめてほしい」と訴えました。

鈴木知事は感染拡大の兆しが見られると判断した場合には、再び臨時休校や分散登校を要請することもありうるとしています。

大分県でも、県内の高校生が、休校継続を求める署名活動が進められています。呼びかけから2日間で、保護者や県外在住者も含め1千人を超す賛同が集まっているそうです。

署名の発起人は県立高の新2年生女子で、学校再開に疑問や不安を抱え、米国在住の邦人女性が動画サイトに投稿した啓発メッセージを目にしたのを機に、4日未明から署名サイト「Change.org」で休校継続に賛同する人を募り始めたとのことです。

生徒は「学校は机が近く、長時間生活すれば感染した生徒が気づかずに他の生徒にうつしてしまう危険性がある」と懸念し、「自分たちが知らぬうちに感染源になっていたら怖い。家族や大切な人に移してしまうのはもっと怖い」と言っていました。

署名に気づいて発起人にSNSで連絡をとり、一緒に活動している別の県立高の新2年生女子は、県の記者会見を地元TV局のライブ中継で見るなどしながら感染状況をチェックしている。「(2度目の)検査で陰性から陽性になった人や無症状だった濃厚接触者から感染した人もいる。どこに感染者がいるかは、やっぱりわからないのでは」と不安を口にしていました。

  電車やバスで通学する時に感染したりさせたりしてしまうリスクがある
  お弁当はマスクを外して食べるし、
  校内の換気も雨や寒さで難しい時がある

このほか、県立高の新3年生女子は不安を訴えるメールも県教育委員会に送ったそうです。

休校が長引けば「受験への影響も心配」としながらも、「友達にはぜんそくなど呼吸器系の持病がある人もいる。もう少し落ち着くまで延長してもらいたい。この状況で再開するくらいなら、しなくていいです。命に影響がでるよりマシだと思います」と述べています。

このような学生の動きは、他にも栃木県、静岡県、愛知県、広島県でも見られます。

高校生たちすごいな。大人よりも立派だよ…

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