「純金積立」が未来を救う・・・お金が貯まる人は今よりも未来の価値を見ている…
動けるときにこそ動こう…
生活に余裕があるときにこそ老後に備えよう…
できる時しておかないと、後で大変なことになってしまう…
人生において、お金を貯めやすい期間はなんと言っても独身時代です。結婚するまでに貯蓄ができるかどうかですね。でもこの時期、目先の楽しみばかりを追いかけていては、遠い未来を見据えることができなくなります。
時間割引率の考え方
かつて一世を風靡した女性実業家の勝間和代氏が唱えるものに「時間の割引率」という考え方があります。
いつも余裕がない人は“時間の割引率”が高いからだ…
「時間割引率」とは、経済学や行動経済学での概念で、先々に手にする報酬を、今すぐ手にする報酬より低く評価する心理的作用を意味します。
具体的には、いま10万円をもらうか、1年後に10万1000円もらうかどちらが良いかという問いを立てた場合、多くの人は「いま10万円をもらう」という答えを選びます。
見た目の数字から一目稜線で、1年後の10万1000円のほうが1%上乗せされた価値であるにも関わらず、1000円が軽く感じられて、今すぐ手にすることよりも低く評価されているのです。
頭の中と言うか、むしろ感覚で10万円と10万1000円の価値が同等に思えているのですね。
これは「時間割引率を高く見積もる」ことになります。1年という時間経過が待てない、“いま”が良いのです。
お金が貯まる人の考え方はこの逆、つまり「時間割引率を低く見積もる」人です。
勝間氏は、このロジックを、パチンコに例えてわかりやすく老後資金準備を説明しています。
例えば、パチンコにハマっている人で、毎日1万円使っているとします。 パチンコというのは必ず損をするようになっていますが、毎日1万円使っていると、5日目に4万円ぐらい当たります。 5万円使って返ってくるのは4万円で、1万円の“負け”なんですが、それでも一度に4万円手にできたら嬉しいですよね。 そして、今日も“勝てる”かもしれない、と思って、お金をつぎ込み続けるわけです。 そのお金の半分でも貯蓄に回したら老後も安泰、とわかっていても、それができないのは時間割引率が高いからです…
冒頭の表現に戻りますが「できるときに準備しておこう」は、無理なく老後資金を貯めるということになりますが、できれば、毎月定額をコツコツと貯めるのが良いことは誰もがわかっていることです。
それができるできないという思考の境界線に、この「時間の割引率」の考え方があるようです。
時間割引率を低くするには…
時間割引率を低く見積もれるようになるためには、どのように考え方を変えていけばよいのでしょうか。
10年後、20年後の肺がんや心筋梗塞、脳梗塞のリスクを抑えるためにお酒やタバコを我慢するというのは、まさに欲望や本能との戦いです。
太るとわかっていても、甘いお菓子やケーキに手を出してしまうのも同じです。
そうなると精神力を鍛える、修行、鍛錬ということばが浮かんできますが、それはかなりハードルが高そうです。
このコラムで「時間の割引率」という概念を示したわけですが、その上で、「報酬の先送り」を義務化することを考えてみましょう。
今の楽しみを先延ばしすることです。
それは、目先にお金が必要になったとしてもすぐには換金できないシステムを作るということです。
これは、絶対に換金できないというのではありません。それはそれで本当の緊急事態時に使えなくなりますので、あくまでも、本当はすぐにお金に換えられるが、せっかくシステムを作ったのでなるべく手を出したくないと思えるものにするということです。
純金積立のすすめ…
これに適しているのが「純金積立」です。
毎月1万円で金(GOLD)を買うのです。金の延べ棒を、毎月1万円で形作っていくものです。
毎月評価額もチェックできて、“やっている”実感を味わうことができます。
毎月積立投資ですから、ドルコスト平均法と言って、価格が安い時にはたくさんの量の金が手に入るわけで、それはそれですごくお得感がありますよね。
なにせ金(GOLD)なのですから。
それを老後のどこかのタイミングで、現金に換えるわけです。時間の割引率を極力低く見積もるには最適な方法かと思いますね。
時間割引率の考え方を意識するだけでも変われる…
でも、今はコロナ禍で、生活に余裕を感じないかもしれません。心に余裕がないと将来のことは考えられないですし、ましてや遠い老後の心配よりも目先の生活の方が大事になってきます。
でもこの発想は、「時間の割引率が高い」考え方になっています。
それはそれで「時間割引率が高い」ということを認識しているだけでも構いません。意識しているとしていないとでは全然違います。
目先の生活が大変で、積立ができなくても、「今は時間割引率を高く見積もっている」と自アクするだけで大丈夫です。
今は時間割引率を高く見積もっていても、どこかで低く見積もるようにする、落ち着いたら時間割引率を見直そうと思うだけでも、その後のシミュレーションは全然違ってきます。
時間割引率の考え方を知るということが大事なのです。ここまでこのコラムを読んでいただければ、もう十分に理解したでしょう。もう「時間の割引率」を知りましたよね。
そうです。ここからがスタートなのです…