危機感が人を動かす・・・自営業やフリーランス、非正規雇用者は大変だが、いずれ正規雇用者にも…
危機感が人の行動を変える…
言い換えれば、「人は危機感を感じなければ動かない」ということになります。
ある歯科医師の言葉ですが、
「歯医者は飽和状態で生き残りに危機感を感じているから、いち早く“サービス業”という意識に換えた」「そこが一般医師との差別化だ」
と言っていました。
確かに開業医で大きく儲けているのは歯科医が多いですね。患者数にはっきりと差が見られます。
コロナ禍で、真っ先に危機感を感じているのは自営業者とフリーランスの人たちです。
緊急事態宣言で経済を強引に止めたことで、商売における客足を止められれば、ダイレクトに悪影響が及ぶのは必至です。
収入源は、自分たちの商売以外は考えられず、多くの人がマルチタスクで考えられるほど器用ではないので、なすすべもなく、ただただ時をやり過ごす状態になっています。
国の助けを待つしか方法がないが、その国の援助がない…
随分経ってから、ようやく自分たちでなんとかしなければと思っても、なかなかアイデアが思い浮かばないのが現状でしょう。
急に降りかかってきた「経済停止」です。ここでなんとか耐え抜いていられる人たちは、「余裕がある人」たちです。
つまり、貯蓄であり資産がある人たちです。
日銭で生活する業態の商売だと、なかなか資産を持つことは難しいでしょうが、何より、日頃から資産を持とうという意識はなかったでしょうから、今に至って資産の大切さを痛感したのではないでしょうかね。
この状況を乗り切れば、資産形成に前向きになるのかどうかは甚だ疑問ではありますが、はっきりと言えることは「資産を持つ」ことが重要であることは、よくわかりました。
自営業者やフリーランスの人たちに遅れて、非正規雇用者の悲劇が待ち構えていました。
雇い止めです。突如、職を失ったのです。
彼らこそ余裕もゆとりもなく、資産形成なんて考えられるお金は持ち合わせていないと、お叱りを受けそうです。
リーマンショックでは、その資産が価値を失って崩壊し、資産を持っていない人にはさほどの影響がなかったので、資産家に対して「ざまあみろ」という感情で溜飲を下げていたところがあったのではないでしょうか。
コロナショックは、家計を崩壊しました。逆に、資産を持っている人は、ダメージを最小限におさえられました。
皮肉なものです。
一部の自営業者やフリーランス、非正規雇用者の、経済的弱者と言われる彼らにこそ、少ない資金で資産を形成する「運用」という手法を、人生設計の味方にしてもらいたいのですが、おそらくは受け入れられないでしょうね。頭から拒否されそうです。
正直、それ以外に現状を打破する方法が、思い浮かばないのですがね。
仕事がない、商売ができない状況で、新たな収入源を得るには、YouTuberになるかはさておいて、そう多くの方法はないように思えます。
さて、今のところ“無傷”なのは正規雇用者です。
一部給料が減ったり、ボーナスがカットされたりした人もいますが、会社が潰れない限り、安定した給料がもらえています。
その点、給料が減らない公務員は、こういうときには強いですね。
コロナで経済が大変になっているときでも、サラリーパーソンの給料は、きちんと支払われます。
漠然とした不安はないではないですが、今がなんとかなっているので、緊迫した状況でもないので、危機感はさほど感じていない…
これがサラリーパーソンの思いなのでしょう。
すぐに動かなければならない危機はないですし、とりあえず会社が存続していれば年金もあるし、今までとはなにも変わっていない、不満といえば、会社帰りに飲みに出歩けないくらいでしょうかね。
今のままで良い状況だと、ほとんどの人は動きませんね。
なにを解決したらよいかわからない...
何から動けばよいのかわからない...
教えてくれなければ動けないよ...
まあこれが本音でしょう。
今安定した給料があるうちに、いざというときのために準備をしておくということを、真剣に考えておいたほうが、本当は良いのですが、このセリフ、どれだけのサラリーパーソンに響くでしょうか。
Save for rainy day…
「万が一に備える」という英語のイディオムです。受験生を思い出しますか?
I save some money for a rainy day.
今後、中小企業を中心として、倒産が現実的となってくることが予想されています。連鎖で大企業も「対岸の火事」状態ではいられないでしょう。
大企業と言えども、業種によっては倒産を免れないところも出てきそうで、日本全体が不況に陥れば、直接影響を受けない企業でも、給料やボーナス支給に影響が出てくるかもしれません。
そうなると、一番困るのは住宅ローン返済です。
いまローンが支払えなくなって住宅を手放す任意売却案件が増えています。
今はなんともなくても、いずれ危機状態になる要素は、サラリーパーソンとは言えども、潜在的に存在するのです。
せめて少ない資金を投じるという行為だけでも試してみるのは、「Save for rainy day」としては良いことだと思うのですが、どうでしょう。