分散がポイント~リーマンショク・コロナショックなど数々の苦境を生き延びるための“知恵”
サラリーマンは安泰か、フリーランスは不安定なのか…
もはやこのような線引きは意味がなくなっているようにも思えます。
不況とは、企業の経済活動が停滞する事で起こります。
リーマンショック不況は、金融に対する不信からなる金融危機による不況で、企業の経済活動停滞によるものだったので、金融への信頼を取り戻すことで、普及から脱することはできました。それが歴史的大規模の金融緩和政策でした。
ところがコロナショクは、国境のないウイルス蔓延による、感染拡大防止のための積極的な経済活動自粛ですので、その影響として不況となっても、いつ終るかわからず、その範囲も全世界的であり全業種に渡るものと考えられます。
それゆえ、企業としても対策が取りづらく、金融緩和をしてもウイルス感染が解決するものではありません。
企業の倒産は、おそらく、人為的要因によるリーマンショックとは性質が異なるコロナショクでは、桁が違うほど増えると思われます。
つまり、会社があり続けることは、コロナショックのような事が起きれば、簡単に崩れるという事になります。
サラリーマンは会社があって存在する“生き物”ですから、会社がなくなったらどうしようもありません。
サラリーマンは、社会とのかかわり方を、個人としてではなく会社という組織のフィルターを通して接することで、個人としての様々なリスクを引き受けないようにしているのです。
「サラリーマンvsフリーランス」という比較構図が成り立つのは、会社はなくならないということが前提によるもので、会社がなくなるリスクが高まると、サラリーマンという存在は実にもろくなってしまいます。
リーマンショックのときも、多くの企業が倒産しました。
倒産とは「社会からの退場」を意味します。社会からの退場と考えれば、会社だけでなく会社に属する従業員も、社会からその存在がなくなることになります。
厳しいですがそれが事実です。
この倒産には二種類あると思います。それは、瞬時に社会から退場する倒産と、時間を掛けてじわじわと追い込まれる倒産です。
サラリーマンは、諦めが悪く会社にしがみつく習性がありますので、瞬時倒産だと脊髄反射で行動せざるをえず、すぐに次の行動に移ることを強いられますが、じわじわと真綿で首を絞められる倒産だと、多くのサラリーマンは、次へのステップが踏めず、生活の再生が困難になります。
積極的フリーランスと消極的フリーランス
フリーランスにも、大きく分けて二通りのタイプがあると考えます。
あえてネーミングをすれば、「積極的フリーランス」と「消極的フリーランス」ですかね。
前者は、会社に属さないリスクを理解しながら働く環境や働き方を優先して選んだタイプで、仕事に対する意識も高く、業務の価格交渉もきっちりと行っている人で、考え方が経営者側に寄っている、個人事業主に近いタイプです。
後者は正規雇用になれなかった消極的フリーランスで、業務内容レベルを下げたものを請け負う事が多く、報酬額の低い仕事をまわすタイプです。考え方も従業員サイドで経営観念はないと思われます。
あくまでもイメージによるセグメントなので、画一的なタイプ分類があるわけではありません。
この違いを、もう少し丁寧に見ていると、個人スキルが高く評価される人は、業務単価も高くなるでしょうし、業務依頼も多くあるでしょう。
もともとフリーランスになった経緯で、その後の収入うなり働き方が変わるような気がします。
収入が減っても働く環境を重視したのか、あるいは、自分のスキルをもっと活用したくて組織を飛び出したのかで、違ってくると思います。
コロナショックで学ぶことは…
リーマンショックやコロナショックなど、企業も対応できないほどの世界的経済クラッシュが起きたときに、生き残ることができる要素というのは、
どれだけ収入源を確保しているか
に尽きます。
今ある収入源も、いつなくなるかわからないということを常に意識しておくことが必要です。つまり、コロナショックのようなことが起きれば、収入源がなくなるということを想定した備えをしておくことが大事です。
そのためには収入源を複数持つ、収入確保手段の分散が大事だということです。
サラリーマンにおいては、本業以外の収入源、スキルを磨くなり複数のスキルを習得するなど、副業ではなく「複業」を持つ意識が必要です。
フリーランスにおいては、業務提携先を一つに絞る必要はなく、複数の提携先を持ち、複数の仕事のあり方を模索すること、たとえば作業を請け負うことや指導業務やサポート業務のように、業務形態を分散することも大事です。
その収入源の分散に関しての考え方ですが、たとえば投資における分散の考え方では、収益を得るタイミングがマーケット状況で異なる資産することを基本としています。
よく言われる「株式と債券への分散」では、株式市場が上昇するときは債券市場は下落する傾向にあります。異なる動きをするアセットに分散することが基本となっています。
インフレで利益を得る資産とデフレで利益を得る資産、輸出企業株と輸入企業株に分散するなどの感じです。
働き方の分散、たとえば在宅でできることと人と合う仕事に分散するとか、消費に関する仕事と情報配信の仕事を組み合わせるという考え方などを、日ごろから取り組む事が重要だと思います。
収入源の分散を、いまだからこそ考えてみませんかね…