サラリーマン向けて“すぐにわかる”確定拠出年金

確定拠出年金は、その名のとおり「年金」です。だから60歳以降に役に立つもので、今すぐ使えるものではありません。

確定拠出年金という言葉を分解すると

   確定 → 毎月一定額
   拠出 → 会社が払ってくれる
   年金 → 60歳以降に受け取る制度

となります。

会社が毎月、自分専用口座にお金を入金してくれます。それを年金なり退職金のように60歳以降に使います。専用口座はありますが、60歳までは、特殊な事情がない限り引き出すことはできません。

会社によって異なりますが、確定拠出年金以外にも、企業年金や退職金がもらえるとこともあります。

企業年金も退職金も、会社を定年した後に必要な生活費のようなもので、退職後の収入を考えると、勤める会社によっては

パターン1 
公的年金(国民年金・厚生年金) + 確定拠出年金 + 企業年金 + 退職金
パターン2 
公的年金(国民年金・厚生年金) + 確定拠出年金 + 企業年金
パターン3 
公的年金(国民年金・厚生年金) + 確定拠出年金 + 退職金
パターン4 
公的年金(国民年金・厚生年金) + 確定拠出年金
パターン5 
公的年金(国民年金・厚生年金)

があります。これに自助年金、つまり民間保険会社での年金保険や貯金などが加わります。

企業年金と退職金は、勤続年数や給与額によって、支給される金額は異なりますが、会社ごとに支給に関する規定を設けていますので、会社で確認してください。

確定拠出年金は、60歳以降にお金をもらうという点では、企業年金や退職金と同じですが、もらえる金額が、勤続年数で決まるのではなく、それぞれの運用結果によって異なります。

確定拠出年金の場合、運用は、毎月、自分専用口座に会社が毎月一定額を振り込んでくれるお金で投資信託を買うことで行います。

運用したくなかったら、投資信託を買わずに、定期預金や保険商品にお金を振り分けます。

それを、制度参加の最初に決めますが、途中で変更することもできます。

繰り返しますが、確定拠出年金制度での運用は、投資信託を買うことで行います。

投資信託とは、その商品自体がどこで運用しているかを明確にしているもので、その投資信託を買うことで、株で運用するのか債券で運用するのかが決まります。

そもそも運用とは、お金を積み上げる貯蓄とは違い、価値そのものが変動することを言います。

たとえば、積立では100円は100円の価値以外の何なにものでもなく、200円にするにはもう100円を準備する必要がありますが、運用の場合、たとえば株式投資信託に100円投じた場合、株価上昇で株式投資信託の価値が2倍になれば、積立のようにもう100円を用意することなく200円を作ることができるのです。

価値が上がった段階で株式投資信託を換金すれば、100円で買ったものが200円になって手元に戻ってきます。これが運用です。

老後生活の収入には、働かない場合には、年金と退職金がありますが、公的年金(国民年金・厚生年金)企業年菌、企業年金、退職金は、保険料を納めている機関や会社勤続年数でもらえる金額が決まりますが、確定拠出年金は、勤続年数などとは関係のない運用成績でもらえる金額が決まるのです。

言い方を変えれば、

   もらえる金額は自分ではどうしようもない
                   公的年金 企業年金 退職金
   もらえる金額は運用次第で増える可能性がある
                   確定拠出年金

とも言えます。 

また 

   国の制度や社会情勢でどうなるか分らない
                   公的年金 企業年金 退職金
   確実に制度は残る自分だけのもの
                   確定拠出年金

と区別することもできます。

年金不安とか言われている昨今ですから、公的年金もどうなることかわかりませんからね。

このほかに確定拠出年金の特徴としては

   転職しても確定年金は消滅しない
   サラリーマンから自営業者になっても確定拠出年金は消滅しない

税制面での優遇もあり

   運用益は非課税
   60歳以降にお金を受け取るときの税率も軽い

メリットがあります。

確定拠出年金は会社がお金を出してくれるのですが、上記の税制優遇があるので、自分のお金で積み増しすることもできます。自分のお金を追加することを「マッチング拠出」と言いますが、これにはある一定のルールがありますので、会社に確認してください。

自分でお金を積みます場合、その金額は「所得控除」されます。「所得控除」とは、税金計算対象からはずすものとされています。つまり

   給料 - 所得控除:税金がかからない金額 = 税金計算対象額 

税金計算対象額が少なければ、所得税も少なくなりますよね。所得控除の代表として、配偶者控除や扶養者控除、生命保険料控除等がありますが、ここに、確定拠出年金積み増し額を加えることができるのです。その分、税金計算対象額は少なくなり、所得税は少なくなります。

所得税が少なくなると住民税も少なくなる可能性も出てきます。

これが確定拠出年金なのです。

ポイントは「運用」です。確定拠出年金制度活用で学ばなければならないのは「運用」についてです。

「運用」については順次、このサイトでもご紹介していきます…

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