AIってなに~今あらためてAIの役割を考える…
現役プログラマーの方に「AIの目的はなに」という質問をしたところ、
AIの目的は「効率化」にある…
という回答が返ってきました。じゃあその「効率化」ってなんなのでしょう…
「効率化」という言葉で真っ先に思い出すのが「 自動化(オートメーション) 」です。この場合の「効率化」とは「作業の効率化」というイメージが強く、それは、できるだけ人の手を使わないという感覚になるのでしょうかね。人の手をなるべく省くことが効率化に繋がるという、作業工程での話になるのでしょうか。
作業の効率化をもう少し考えると、それは「時間」の効率化にも繋がります。
そして「作業の効率化」を突き詰めれば、人手を可能な限り減らすことでコスト削減につながり、時間を効率化することで生産効率を高めることができます。これらのことがもたらす効果は、最終価格である「消費者価格」を安くするということにつながります。
作業の効率化は、市場における価格競争に勝つためには必要なことになるのですね。
商品価格が下がると流通量も増えて経済が活性化しますし、なにより、消費者が必要としているものが手にしやすくなり、社会貢献という観点からも意味があると思います。
効率化という概念には「リソース効率」と「フロー効率」の二つの側面があります。
「リソース効率」とは、稼働率を上げる、平たく言えばいかにしてフル稼働させるかというアプローチ方法です。24時間働かせることが効率的となると、当然それは人では無理で、フル稼働であれば機械やロボットの出番ということになりますね。
一方で「フロー効率」とは無駄をなくすイメージで、価値を生まない時間をいかに改善できるかというアプローチです。たとえば、作業場から次の作業場への物の移動を短縮させるとか、病院での患者さんの待ち時間をなくすことで、お金を生まない時間を省くことで効率化をはかる考え方です。
これら「リソース効率」を求めるなら、 自動化 (オートメーション) なりロボット活用は必要となってきますね。「フロー効率」を高めるのに、作業の無駄をなくすため、現状の様々なファクターを考慮し、常に改善点を見出すことが重要で、その問題点を瞬時に解決していくことが求められます。
まさに「AI」は、新たな情報を得ることで、常に現状の問題点を分析し、瞬時に改善点を示してくれて、それを行動に移すしてくれます。「ディープラーニンング」というもので、AIは、効率化に繋がるスムーズな行程を、その学習能力から導き出してくれるのです。
「効率化」という概念を、ここであえて資産運用の世界で考えてみましょう。
資産運用での「効率化」とは、リスクとリターンの関係の用いられるもので、それを説明しているのが「アセット・アロケーション」と呼ばれる理論です。
「アセット・アロケーション」とは、
最低限のリスクで最大限のリターンを得るためのポートフォリオ
と説明されます。
資産運用においては、この「最小限のリスク」から「最大限のリターン」を得るという考え方が非常に大事で、それをスムーズに実現することが、資産運用における「効率化」なのです。
投資効率とは、「リスクに見合ったりターンを得る」ことで、どのようにリスクを取ればもっとも「効率的」なリターンを得られるかを考えることになります。
「リスク・ゼロ」という事はこの世には絶対にありません。リスクを取ることが大前提です。そのリスクに見合ったリターンを考えることが「効率化」の目的とも言えます。
ロボット投資とかAI投資というのがありますが、大量の過去のデータから現在の状況を踏まえて、最適なリスクの取り方、効率的な資産の組み方を、人間ではなく人工知能(AI)がアドバイスしてくれるようになりました。
つまりAIは、
過去のデータを瞬時に分析して最適な提案をしてくれる
のです。
過去のデータ分析は自動化 (オートメーション) されますので、人が行うよりも時間は大きく短縮され正確性も増します。その上で、新たな情報を入手すれば更なる学習を行い、より効率的な提案をしてくれます。それが「AI」なのです。
AIの目的が効率化である、その効率化とは何かを考え、資産運用という世界での効率化とAIの役割を考えてきました。AIは「リスク」を過去堅守から考慮しながら最最大限お「リターン」を導き出す提案をしてくれます。そのプロセスを資産運用の例で見てきました。
ただし、AIの提案が、資産運用において必ず利益を上げることになるかと言えばそうはならないのは、マーケットは生き物で、日々変化しているからで、AIは新しい情報がなければさらなる提案はできません。不透明な未来を確実なも煮にすることはできません。今ある情報から予想される未来を把握して現段階での最適な対策を示すことはできますが、未来そのものを完全に把握することはできません。
AIは単なるロボット化とかオートメーション化を意味するものではありません。AIは、 圧倒的に人間が行うよりもスピーディーに正確に、まさに「効率的」に物事を行うことができるのです。
このAI社会が私たちの生活をどう変えていくのかを、その中で私たちはそう考えるべきで、何をすべきなのかをこれから一緒に考えていきましょう…