AIで前立腺がん患者の画像分析 高精度で再発の可能性予測、AI×画像診断は更なる進歩を…

AI(人工知能)を使って前立腺がん患者の画像を分析し、再発の可能性を高い精度で予測できたと理化学研究所などのグループが発表しました。AIによって、これまで知られていなかったがんの再発と関わると見られる細胞の特徴も見つけられたということです。

理化学研究所と日本医科大学の研究グループは、AIに患者100人分の前立腺の組織の画像を読み取らせ、がんがどこにあるのかなどの答えを与えないまま、「ディープラーニング」の技術で学習させました。

その結果、AIはみずからがんの特徴などを割り出し、これまで知られていなかった、がんのまわりにある細胞が集まる密度が再発のしやすさに関わっている可能性があることも見つけたとしています。

これをもとに、前立腺の組織の画像、およそ1万5000枚を分析し、がんが再発したかどうかの情報と照らし合わせると、これまでより高い精度でがんの再発が予測できていたということです。

もはや画像診断においては、AIの存在は不可欠となってきていて、AIを使って人間がたどり着けなかった新たながんの特徴を発見でき、医師の診断と合わせることで、高い精度で再発が予測できるようになりました。

AIは、医療現場への導入が進められていて、特に、患者の画像から病気があるかどうか見つける画像診断の分野で研究開発が盛んに行われています。

画像診断は、医師が知識と経験に基づいて患者の画像などを見て行っていますが、AIを利用して、医師の診断を支援することで、病気の見落としなどのミスを防ぎ、より精度の高い診断ができるようになることが期待されています。

これまでに、各地の医療機関や大学、企業が胃がんや肝臓がんなどの診断を正確に素早く行えるAIのシステムを開発したと発表しており、ことし10月には、AIがみずから学習する「ディープラーニング」の技術を活用し、脳の画像から病気を見つけるシステムが、医療機器として国の承認を受けました。

AIを活用することで、高齢化や医療の高度化などによって多忙になっている医療現場で診断を効率的に行い、医療従事者の負担を軽減できると考えられています。

さらに、今回の研究で前立腺がんの再発につながる細胞の特徴が新たに見つかったように、これまでの研究で分からなかったことが、AIによって明らかになることもあり、今後も医療現場でAIを活用する動きは強まっていきそうです。

AIは診断技術において

・スピーディーな処理
・診断画像の量をこなす
・見落とし(ヒューマン・エラー等)防止がすすむ
・未知の発見期待が高まる

ようになりました。

ソフトの開発段階ではAIが動脈瘤を見つけた割合は77.2%で、医師よりおよそ10ポイント高いとされています。

医師が限られた時間で大量の画像を診断すると見逃すリスクがあります。

内視鏡を大腸で動かしている最中に、AIがリアルタイムで病変をとらえ、がんである可能性を示すことで、大腸がんによる致死率を大幅に下げらられることが期待されます。

画像の質も向上してきてます。

米調査会社マーケッツアンドマーケッツは、AI画像診断に関連した医療機器・サービスの2022年の世界市場を約80億ドル(8600億円)と予測、これは2016年の10倍にのぼるとのことです。

日本は病院にある画像撮影装置の数が多く、医療用の画像大国といわれているそうです。

今後、画像診断の分野ではAIの活躍は、益々期待されるものと思われます。

病変を見つける読影作業には専門医がいますが、明らかに不足しています。

病変を見落とすリスクもありAIの需要は大きいと思われます。

あくまでも画像をもとに最終的な診断をくだすのは医師であり、AIは、それを助ける役割を果たすことになるのです…

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