みずほFGや三井住友FGは大幅人員削減、景気減速懸念やRPA導入でその流れは加速…

景気減速やデジタル化への対応で世界的に銀行のコスト削減が進み、その結果、銀行の人員削減が大きく進んでいます。

景気減速による人員整理による側面のと、デジタル化による業務改善による人員整理…

前者は景気の波をもろにかぶる金融機関の宿命でしょうが、後者は、銀行に限った話ではないですが、銀行というシステムがデジタル化の波を大きくかぶりやすいいという事なのでしょう。

   銀行業務自体は残るが、それがいまの銀行である必要はない…

ある日銀OBの話ですが、まさにこの言葉が現実化していることだと思われます。

銀行の提出文書や労働組合の発表によると、50行を超える世界の銀行が昨年打ち出した人員削減計画は合計で7万7780人と、2015年の9万1448人以来の高水準となっています。マイナス金利の負担が長期化しそうな欧州の銀行が全体の約82%を占めるとのことです。

いまは欧州でこの流れは加速しているようですが、いずれは日本でも銀行という箱が変わっていることは容易に想像できます。

日本では、維持費が高いATM機は、どんどんなくなっていくことでしょう。現在ATM機は全国に20万台ありますが、その維持費は年間1460億円となっています。

日本のメガバンクに業務自動化の波がおしよせています。

みずほフィナンシャルグループが1万9000人の人員削減、三井住友フィナンシャルグループは5000人弱相当の業務量削減、目を引くメガバンクの合理化計画に一役買っているのが、事務作業をソフトウエアに覚えさせて自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」技術です。

業務効率化を加速させる一方、銀行員にとっては個人の能力がより試される時代に入ることになるとされています。

三井住友フィナンシャルグループはグループ全体にRPAの導入を順次拡大しており、その効果もあって2019年度までの3年間で5000人弱分の業務量の削減を見込めるとのことです。

このような業務改革を支えているのが、RPAソフト開発の米ユーアイパスです。

三井住友FGでは、現在、1000台以上の疑似ロボットがコンピューター上で動いています。

調査会社IDCは、世界のRPAソフト市場が2019年の15億7750万ドル(約1710億円、予測値)から、2022年には2倍以上の37億1540万ドルに拡大すると予測しています。

競合としてNTTデータや英ブループリズムなどがあります。

金融機関は特に自動化のニーズが高い業種だと考えられます。

作業の正確性と高度なセキュリティーが求められ、そのために、これまで簡略化が難しかったとされてきています。

低金利下での成長戦略が求められる中、RPAは急速に普及しつつあります。

主要9行のうち三井住友銀行のほか、みずほ銀行、三井住友信託銀行など7行が、ユーアイパスのソフトを導入しています。

2017年2月にユーアイパスは日本に進出してから1年4カ月かけて300社に到達した顧客企業数はその後、1年足らずで1000社に拡大しました。今後は、地方銀行や官公庁などを中心に拡大を図るようです。

このRPA、ロボティック・プロセス・オートメーション技術は、海外ではロボットが人の仕事を奪うコスト削減の道具として使われた面もあります。

終身雇用制度が根強い日本では、安易な人員削減をせずRPAで社員の生産性を底上げしようという考え方に落ち着かせようとはしていますが、トヨタが終身雇用制度維持を放棄したjことから、大企業でも、今後はRPA導入と人員削減はセットになっていくことが予想されます。

金融業界の業務はコモディティー化が進んでいるのでRPAとの親和性は高いとされています。相当程度の業務の自動化が可能だとみられます。

事務作業を主にしていた人を営業に回すといっても全ての人に適性があるわけではありません。RPA化の波に乗ることができない人にとっては従来業務が減らされ、新しいことを身に付けないと生き残れないでしょう。

銀行員にとっては厳しい時代になったと言えそうですが、これは銀行員に限った話ではなくなることでしょう。

銀行に勤めたら将来安泰…という一昔前の学生の間にあった神話は、すでにないということですね…

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