確定拠出年金の運用は「投資信託を買うこと」、投資環境で買いなおすのが大事…

確定拠出年金での運用は、一言で言えば

   投資信託を買うこと

です。一つ一つの企業を調査して株を買うのではなく、値動きを確認してドルを買ったり売ったりするのでもありません。

ようは、

   ザックリとした感覚で株式市場や債券市場にお金を投じる

といったイメージになりますね。

確定拠出年金では、概ね4つの箱が用意されていて、その箱にお金を入れることで運用が行われます。具体的には、その箱の中にある投資信託を買うことで、運用が始まります。運用する際のお金の流れは

   会社 → 個人口座 → 4つの箱のどれか

凄くザックリとした感じでしょう。

運用のために用意された「4つの箱」とは

   日本債券
   日本株式
   海外(外国)債券
   海外)大黒)債券

になります。実際にはこれにもう一つ「元本確保型」と呼ばれる銀行定期預金や保険商品のエリアがあり、ここにお金を入れることは、運用しないことを意味します。

運用したくなければ、この「元本確保型」エリアの商品にお金を入れれば良いのです。

運用しない際のお金の流れは

   会社 → 個人口座 → 4つの箱以外の「元本確保型」の箱

この4つの箱のそれぞれの特徴を、表面の言葉解説ではなく、今の環境を重ね合わせて、実際の動きで表現していきますと…

日本債券  運用と言いながらほとんど動かないカテゴリーいまは、日本はマイ ナス金利で、どう考えても債券価格はいまが最高値であるように思えますので、今、この箱にお金を入れると、その価値は下がっていくと思われます。

日本株式  
日本という国の舵取りが株価に大きく影響します。つまり、今の政権政策に株価は影響を受けます。世界株式のカテゴリーでは、複数の国がかかわるので、国家リスクは分散されることも考えられますが、日本株は、世界情勢の影響も受けながらも、日本国内の事情に強く左右させられるところが大きいです。

海外債券  
このカテゴリーは、主に米国と欧州の国債価格がどうなるかがポイントになります。世界各国の信用度がその国の国債価格に影響しますので、世界の国がどのような状況かを知ることが大事です。たとえば、財政危機のイタリア国債は下落してドイツ国債は上昇するという感じです。

海外株式  
このカテゴリーは「世界」となっていますが、主に、米国、欧州、日本の株価がお大きなウェイトを占めています。それゆえ価格変動では、世界情勢に加え、日本固有の事情も加味されます。世界経済の動きですから、原油価格の影響も受けます。これ良くなるのは日本か、それとも海外かという観点で見れば、日本以外の方が調子良さそうおもえば、このカテゴリーを選択することになります。

ほとんどの教科書では説明していないところを、表面上の話ではない部分についてあえて書きました。

また、世界債券と世界株式は、為替の影響を受けます。円高だと円換算評価額は下がり、円安だと円換算評価価が上がります。

長期投資だと、目先の事情は関係ないという人もいますが、長期で見たら個別事情は関係ないというのは間違いです。また、長期で見れば必ず株価が上がるというものでもありません。

本来の分散投資の価値は、調子のよいカテゴリーが調子の悪いカテゴリーのマイナスをカバーすることで、全体の価値を高めていくところにあります。

間違ってもリスクをゼロに近づけることが分散投資の目的ではありません。

調子の良し悪しはその時々で変わるもので、状況が変われば資金を移動させることが大事です。

円グラフを想像してください。

その円の中は、いくつかのカテゴリーに分けられます。それが分散の状況と言えます。

投資ですから、この円が外に膨らむ、つまり円の面積を大きくすることが、分散投資の目的です。

調子の良いカテゴリーが全体を引っ張って、円自体を外に大きく膨らませてくれます。

このけん引役は、その時々で変わるので、そのときは選手交代をするわけです。それをして初めて、分散投資で資産は殖えることになります。

確定拠出年金での運用は、投資信託を買うことで始まります。そして、状況に合わせて投資信託を買いなおすことで資産が殖えていくのです。

この投資信託の買いなおしが「リバランス」と呼ばれるものです。

リバランスのポイントは

   これから調子が良くなっていくものを買う

というもので、調子が悪くなったピッチャーを、調子の良いピッチャーと交代させるのです。

いまは全体的に株式市場の調子が良くなく、株式投資信託の資産評価額は減っている状況ですが、これから世界株は、各国大型政策により復活する可能性が高いと思えば、資金を世界株に大きく振り分けます。

日本株は、消費増税と東京五輪でしばらくは調子が悪そうだと思えば、日本株にお金を投入しないで、世界株にお金を多く投入するということを行います。

日本債券はとりあえずは除いて、しばらくは株価の調子が悪い状況が続きそうなら、世界債券にお金を移動させ、そろそろ世界各国の政策が動き出したというニュースを見たので、世界株にお金を移動させる…これが「リバランス」になります。

そのために政治を知り、世界情勢を知るためにニュースを見ることが大事になるのですね…

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