銀行に預けていてもお金が増えないから、勧められるがままに投資信託を買ったら、殖えるどころか損をしています…
こういう人は意外と多いかもしれませんね。
この事例を丁寧に分析することで、「お金を殖やす」ということについて、きちんと理解していきましょう…
まずは「増える」と「殖やす」の違いを理解しましょう
「ふやす」という言葉の定義の確認ですが、「ふえる」という漢字には「増える」と「殖やす」がありあす。あえて送り仮名を変えています。
「増」は「ます」という訓読みがあり、ラーメン二郎の「増し増し」という注文のように、追加して量を盛るイメージがあります。
「殖」は利殖、つまり、量を追加するのではなく、そのもの自体を成長させるイメージがあります。
「増える」は、量を盛る結果で価値が上がるもので、「殖やす」は、量は変わらずそのものの価値自体を成長させるものです。
「殖」のほうが能動的になっています。
「お金をふやす」行為は、「増える」なのか「殖やす」なのか、どちらを選ぶのかをよく理解しておきましょう。
「増える」と「殖やす」では、手段が異なります。つまりそれぞれの役割を果たす金融機関は違ってきますし、用いる金融商品も違ってきます。
「お金が増える」方法は積立で、その担当は銀行になります。
「お金を殖やす」方法は運用で、その担当は証券会社になります。
「増える」と「殖やす」、どちらを望むのかで、その後の行動は違ってきます。そこをよく理解してから「お金」と向き合うようにしましょう。
「勧められる」行動の本音は何か
次に「勧められる」という部分に注目です。この言葉には自分の意志が感じられませんね。
前項で「殖やす」ことを選んだとき、運用という手段を受け入れると決めたわけで、まずは運用という手法についての理解が必要になります。
マーケットとは何か、株式市場が変動する要因はなにか、為替変動の特徴はなにかなどを勉強します。
なにも勉強もしないで運用しようという姿勢はまちがっています。
もし楽して儲けようという心があるのであれば、勉強しないで人任せでお金を増やそうとするのなら、最初から運用を考えることはやめたほうがいいですね。
「勧められる」ままに商品を選ぶという行動の背景には、「わからない」からお任せするという思考になっているところがあるのかもしれませんが、それは危険だということです。
わからないことには手を出してはいけない…
「リスク」という言葉の本質は、先行きが不透明であることにあります。先が見えない、わからないという状態が「リスクがある」ということで、わからないことがわかるようになる、あるいは、ある程度は理解できるようになるという状況以外は、を出さないという行動が「リスク回避」というものなのです。
すべての金融商品を具体的に知ることはできませんが、運用の知識があれば、商品に対してわからないところを質問することができます。
金融商品販売側が「勧める」背景には、いろんなことが考えられます。
銀行は、低金利で金利差による収益が期待できない分を、投資信託や生命保険販売による手数料収入で補おうとするのは当然の行為です。
銀行や郵便局は、リスク商品販売に慣れていないところもあり、私たち消費者側も、銀行や郵便局でリスク商品を取り扱っているというイメージが十分に備わっていないことによるトラブルもあるようです。
投資信託という商品の理解
投資信託はリスク商品です。銀行で取り扱われていても、郵便局で販売していても、元本保証がないリスク商品なのです。
1万円で購入できるというところが、どんな人にも購入しやすくなっていますが、たしかに個別株を買うよりかは投資額は少なくて済みますが、株式投資信託は個別株と同じく、株式市場で運用されているという事は同じです。
投資信託は「買い」手法のみで、「売り」からマーケットに入ることはできません。つまり株式投資信託なら、株式市場が上昇しているときにのみ、利益が出るものです。
つまり「安値」で買って「高値」で売ることで、はじめて利益が出るのです。それ以外は利益は得られません。
投資信託に対して、このようなイメージ(=誤解)はないでしょうか…
投資信託は、投資初心者向きの商品である…
投資信託は、長期投資のための商品である…
投資信託は、マーケット知識を理解していなくても利益が得られる商品である…
投資信託は、高齢者向けの商品である…
投資信託は、リスクが小さい商品である…
これらは全て誤解で、商品販売側のセールストークとして利用されているものにも思えます。
銀行に預けていてもお金が増えないから、勧められる投資信託を買ったのですが、殖えないどころか損をしています…
このような思いを抱いてしまったきっかけとなった投資信託購入のときに
「増える」と「殖やす」の違いを理解せず、どちら加と言えば「増える」イメージで、 つまり、投資信託を預金のような感覚で買っていた
としたら、損失が出ることは許せないでしょうね。
投資信託を、投資初心者に馴染みやすいリスクの小さい、高齢者にも安心して買える商品だと思っていたのなら、そもそも投資をおこなうスタートが間違っていたということになります。
投資で一番大事なことは「損失」を受け入れること
投資で一番大事なことは「損失を受け入れる」メンタルです。「損失の許容」ができるかどうかです。
そのためには「今は損を抱えていても、いずれは利益に変わる」という確信がなければ損失には耐えられません。
つまり、投資環境判断から、これからマーケットは上昇すると確信して、これからマーケットが上昇するという「買い」タイミングを理解できたうえで、投資信託を買ったのであれば、その後の損失には耐えることができるのです。
つまり、損失を受け入れるということは、これからマーケットは上昇すると判断できるかどうかにかかっているんです。
そのとうしかんきょうにんしきをより確実にするために、投資の勉強をし、投資に関する情報収集を行うのです。
投資信託を買うときに重要なのものは、マーケット環境認識だということです。
そのタイミングは自分で判断することで、決して人に言われるものではありません。教わることはあっても、投資信託購入を進められるものではありませんね。
アドバイスを受けながらも、いろんな人に教えられながらも、セミナーを受講しながらでも、とにかく自分で投資shんたくを買うことを判断することが「自助努力」なのです。
したがって人に言われるがままに投資信託を買って損をするのは「自業自得」なのですね…