2024年「新NISA」が始まりました。でも“つみたてNISA”は老後資金準備の“万能薬”ではないですから…

毎月積立投資の特長 ①「マーケット変動に左右されない」

新NISAの運用益非課税制度を使って、毎月積立投資を行うことに注目が集まっています。

特に、投資初心者にとっては、大きな資金を運用する「一括投資」よりも、少ない資金をコツコツと運用する「つみたてNISA(毎月積立投資)」のほうが、投資に対するハードルが低いように感じるみたいですね。

「積立」という表現に、投資初心者は、安心感を感じるのではないでしょうか。

毎月積み立てだと気軽さもあり、金融機関にもよりますが、最低積立額が100円や1,000円に設定している例もありますから、投資初心者にとって、特に投資資金を多く準備できない人たちにとっては、ほどよい手頃感を感じるのでしょうね。

毎月積立投資は、マーケットが上昇しているときでも下落しているときでも、自動的に淡々と、決められた日に決められた金額を投資するというものです。

従って、行動レベルでも「自動引き落とし」なので、精神的なプレッシャーが入り込む余地はありませんね。

マーケットの状況に関係なく定期的に買い付けますので、投資額は一定でも、買い付けられる数量は異なってきます。マーケットが下落しても、その分、買い付ける数量は増えるので、評価額はともかく、買付数量では得をしているという「ドルコスト平均法」による時間分散効果が得られますので、マーケット変動をマイナスに捉えないでいられるのです。

毎月積立投資の特長 ②「売却価格は重要」

ただし、解約(積立投資をやめるとき)するときの価格は、積立期間の最低金額よりも上昇している必要があります。

そうでないと、利益を得ることはできません。

右肩下がりで積立投資を続けても、損失が膨らむばかりです。

従って、毎月積立投資の“やめ時(解約するとき)”は、価格そのものが、毎月積立期間の最低価格よりも上にあること、毎月積立期間の平均単価よりも上に位置していているときに解約しなければなりません。

   最終価格 = 売却単価 × リスク資産の買付量

買付量が多くなることは説明しました。それが利益を得るのに効果があることは、上記の式でもわかるでしょう。

更にこの数式が示していることは、「売却単価」は高いほどよいということに他なりません。つまり、解約するときの「売却単価」も大事になってくるのです。

毎月積立投資は、ただ闇雲に時間をかけて続けるだけでは、大きな利益には繋がらないということです。「積立」といえども、右肩下がりの状況だと含み損になるだけです。

積立期間の区切りが必要なのです。

その区切りを決めるのは「マーケット」なのです…

だから、「“60歳”まで続ける」とか「“70歳”でやめる」とか、自分の都合で毎月積立投資の終わりを決めることは、マーケットに逆らうことになります。

毎月積立投資の特長 ③「積立投資の利益は大きくはない」

もう一つ重要なことは、大きくマーケットが上昇したときの一括投資による利益幅に比べれば、積立投資の利益はさほど大きくないということも、指摘しておきます。

積立投資だけでは、十分な金額の老後資金を準備することは難しいということも、理解しておかなければなりません。

毎月の投資額が多いのであれば、話は別ですけどね…

毎月積立投資は、確かにリスク分散には有効ですが、大きな収益を得ることには十分ではありません。そこのところを忘れてはいけません。

「新NISA口座」で投資を始めることがライフプランの目的ではない

新NISA口座を作ったからといって、それで老後は安心というわけではありません。

NISA口座での運用益は非課税になりますが、それも運用で利益を出さないと意味がありません。利益を出して初めてNISAのメリットが発揮されるのです。口座を開いただけでは、なんの意味もありませんからね。

ましてや運用で損失を出していたなら、制度の恩恵を何一つ享受することはできません。

投資をして利益を出してこその「NISA」なのです。

投資の目的は、単純明快で、それは「資金を大きく殖やすこと」ということにあります。

「なぜ資金を殖やす必要があるのか」という問いに対する答えが「老後資金を準備するため」となります。

「なぜ資金を殖やす必要があるのか」の答えは、老後資金準備に限らず、人それぞれいろいろあって当然です。教育資金準備でも余暇の活動費でも趣味のためでも、その目的はいろいろあって然るべきです。

投資はあくまでも、老後資金準備をするための“手段”なのです…

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