ドライブインシアター…コロナ禍でソーシャルディスタンスを保ちながら楽しむニューノーマルのエンタメ…
かつて人気だったドライブインシアターが、コロナ禍の中で再び盛り上がりを見せています。
ソーシャルディスタンスを保ちながら楽しむニューノーマルのエンタメ…
もともとはアメリカで始まり、日本でもバブル後半にあたる1990年ごろ、日本中多くの若者たちがドライブインシアターを楽しんでいました。一つのビッグイベントでしたね。
ドライブシアターは御存知の通り、巨大な駐車場にスクリーンを配置し、車に乗ったまま映画が鑑賞できる映画上映施設のことです。
今では、映画だけではなく、音楽コンサートの新しいかたちとして、車の中でペンライトをかざして音楽イベントを楽しんでいるようです。
安心して家族全員で映画を観にいくことができる…
アメリカで始まったドライブインシアターは、「安心」が流行のきっかけのようです。
自動車の中なら普通の劇場と違い子供が騒いでも他の観客を気にする必要がなく
騒がしい子供を家で留守番させる心配も
そのためにベビーシッターを雇う必要もない…
アイドリング・ストップの推進などが理由で、徐々にその数を減らすこととなり、2010年頃に国内の全てのドライブインシアターが閉鎖となりました。
ドライブインシアター衰退の主な要因として「売上」の問題がありました。
ドライブインシアターの上映時間は野外が暗くなる夕方以降に限定されているため、一般の劇場と比べ収入が少なく、冬の駐車場は寒く客足が伸びなかったのです。
このドライブシアターが、新型コロナウイルス感染拡大により、各国で不特定多数の客が集まる映画館の上映制限や外出禁止令が出されると、他者と接触せずとも鑑賞ができるドライブインシアターが注目されるようになりました。
事業プロデュース会社ハッチ(東京・目黒)のシアタープロデュースチーム「Do it Theater」により、全国で「Drive in Theater」イベントが開催されるようになりました。
ドライブインシアター 2020…
「今こそ、ドライブインシアターをつくろう。」という趣旨で、全国各地でドライブインシアターを興行するという企画です。
東京タワーの下で、ドライブインシアターイベント「Do it Theater presents ドライブインシアター2020 東京タワー」を実施し、車40台(約100人)の観衆を集めました。
チケットはわずか3分で売り切れたそうです。
これに続き、第2弾を神奈川・大磯ロングビーチで開催され、第3弾は大阪・万博記念公園が会場となります。
かつて、売上が安定しないことでブームが去ったことからか、ドライブインシアターを継続的に運営していくため、クラウドファンディングで支援者も集めています。ファンディング額に応じてサンキューメッセージやオリジナルグッズなどのリターンを用意しているようです。
「Do it Theater」が初めて手掛けた「Drive in Theater」イベントは、2014年秋に、浜松市遊園地駐車場開催でした。
これまでに8回開催した実績を持つ。自動車系企業が、若者の自動車離れ対策の一環として賛同してスポンサーになってくれたことも、イベントを後押ししてくれているようです。
社会貢献の側面では2018年10月に、「復興支援団体Noroshi西原」が、熊本地震からの復興支援の一環でDrive in Theater Asoをオープンしました。現時点で日本で現存する唯一の常設ドライブインシアターとなっています。
感染症拡大対策としては、「Do it Theater」は感染症に詳しい医師と契約し、マニュアル構築やスタッフ研修など実施しました。スタッフは事前に計3日間のオンライン研修を受講し、感染予防対策のガイドラインを学んだとのことです。
感染予防しながら楽しむためのニュールール
「感染予防しながら楽しむためのニュールール」として人と人との接触を最小限にする工夫をしています。
「マスクを着ける」などの基本事項
- 車の窓を定期的に開ける
- チケットはQRコードで読み取る
- スタッフとの連絡はスマホアプリを通す
「Do it Theater presents ドライブインシアター 2020 東京タワー」イベントでは、参加者にスナック・ドリンク・マスク・消毒液・ステッカーを封入したボックスコンセを配布しました。
映画だけでなく花火鑑賞も、車内にいながら楽しめるイベントもあるようです。
トイレ以外は車内に出ない、ただし屋根が開くオープンカーは要注意かもね…