「レバレッジ」について“危険”と決めつけて、その本質を勘違いしていませんか…
トレードを効率的に行うのに絶対に必要なのが「レバレッジ」です。
これを危険とか投機と捉える人がいますが、それは間違いです。レバレッジは投資家にとって「敵」ではなく「味方」になるものなのです。
ここのところを、しっかりとおさえておきましょう。
レバレッジは投資家の「味方」なのです…
まずは「レバレッジとはなにか」を考えていきましょう…
レバレッジ(Leverage)は「テコの原理」と表現されていますが、テコですから、小さい力で大きな力を発揮するツールと言えます。
ここでいう“大きな力”とか“小さな力”とは、資金力を意味します。投資スキル能力や情報量の多さではありません。
これは会社経営でも言えることで、借入れや社債発行などでファイナンスをして事業拡大や設備投資を行う、いわばビジネスに投資を行うのも「“レバレッジ”を効かせた行動」と言えます。
自己資本は少なくても大きな資本を動かすことができる
というもので、お金がないがことでチャンスを逃さないようにするためにも、借入れを有効に活用することもビジネスにおいては重要です。
ビジネスも投資も「“タイミング”が大事」ということです。
この場合の「タイミング」とは、マーケット環境もさることながら、マインド設定、やる気の状況にもよるということです。
トレードにおいて、投資金額が少なくても大きな効果を得ることができるのが「レバレッジ」効果です。
「レバレッジ」は、投資家の強い味方です。
しかし現実には、このレバレッジのプラスの効果を見ないで、レバレッジを利用したことによる“負の部分”ばかりをクローズアップしている人が多いようです。
それは「レバレッジ」効果を説明する側にも問題があり、説明者もレバレッジをよく理解していないところに問題があります。
レバレッジを活用した投資方法で代表的なものとして、FX(外国為替証拠金取引)や株式投資の信用取引やオプション取引などがあります。
ここでよくあるレバレッジの説明を紹介します、数字はわかりやすくしています。
「10倍のレバレッジ」で取引を行えば、10万円の証拠金(業者に預ける資金)で100万円分の投資をすることが可能ですが、損失も100万円分の投資に見合った金額になります…
この説明を聞くと「損失が大きくなる」というところを強く意識して、レバレッジ効果で利益が大きくなることよりも、損失が大きくなることばかりがクローズアップされているようにも感じます。
まだ行動を起こす前なのにもかかわらず、利益の期待値よりも、まだ起こりもしていない損失の方を気にし過ぎているのですね。
未来を恐れない…
この発想になってこそ、レバレッジは投資家の味方になれるのです。
「レバレッジ」を、少し角度を変えて見てみましょう…
FX投資を例に考えますと、FXは値幅を「pips(ピプス)」で表現します。
つまり、利益は「何pips抜くか」で決まります。
1pipがいくらを表しているのかは、通貨ペアによって異なりますが、たとえば米ドル/円やクロス円(ユーロ/円、ポンド/円など)の場合、1pipは0.01円(1銭)を表し、10pipsだと10銭、100pipsで1円となります。
米ドル/円のレートが100.00円から100.05円に上昇したとすると、「5pips上昇した」と表します。
これはレバレッジに関係なく、すべてのトレードに共通です。
ここは覚えておいて下さい。
FX投資では、投資額を「通貨」とか「枚数」とか「ロット」で表現します。個人でFX投資で投資を行う際には「通貨」の表現が多いですかね。
通貨と枚数とロット数を比較してみましょう…
1000通貨 = 0.1枚 = 0.01ロット
1万通貨 = 1枚 = 0.1ロット
10万通貨 = 10枚 = 1ロット
100万通貨 = 100枚 = 10ロット
となります。これらはFX投資でいくら投資するかということです。
例えばFX投資で1000通貨投資して「1pips抜き(1銭)」ができたら10円の儲けになります。手数料とかスワップ抜きで、100.00円調度で買って100.01円で売れたら10円の儲けとなります。
これは1000通貨でトレードした時の話です。1000通貨を市場に入れてトレードするのに必要な金額は、レバレッジのかけたかにより異なります。
単純に儲け額だけで考えると、10万円通貨投資できれば「1pips抜き」で1,000円の利益になります。
「レバレッジ効果」を、もっとリアルに考えてみましょう…
1ドル100.00円「買い」でFX投資をして、100.10円で売ることができたら10銭(0.1円)分の利益(10pips抜き)を得ることができます。
この取引で10万通貨(10枚、1ロット)投資していたら、10銭(0.1円)の変動(10pips抜き)で10,000円儲けたことになります。
少ない価格変動で大きな利益を得ることができます。
この「少ない価格変動」を、負のイメージで捉えて、「少ない価格変動でも損失が膨らむ」というイメージにより、レバレッジを「怖い」と解釈してしまいます。
「でも」の言葉を「なのに」に変えて、「少ない価格変動なのに利益が膨らむ」という文章を変えることはできないでしょうか…
1銭の値動きは常に起こります。たった1銭を抜くだけで、10万通貨だと10,000円儲かるということになります。
恐ろしいのは「“時間”の喪失」
投資に回せる資金は10万円しかないので、100万円になったら投資を始めよう…
これは「時間」の喪失になります。
誤解を恐れずに表現しますが、1億円儲かったとして、80歳のときにその金額を手にしたとしたら一体どうしますか。
60歳のときに手にできれば、老後は助かりますね。
少ない資金でもトレードに参加できるのが「レバレッジ効果」なのです。
レバレッジが効いていると、先程の「10銭の価格変動で10,000円儲かる」ようにするための投資金額10万通貨を準備するのに必要な実資金は、10倍のレバレッジだと1万通貨分の資金でよいということになります。あくまでも単純計算ですけどね。
あとはレバレッジを掛けたときこそトレード技術を磨くのです。
利益が出た瞬間に“手仕舞い”をすれば“勝て”ます。“欲をかかない”ことです。
投資できる通貨数が多ければ、同じpips数抜きでも、利益額は異なってきます。
そこでレバレッジが関わってきます。
当然、レバレッジが大きければ、準備する金額は少なくて済みます。この準備金のことを「証拠金」と言います。
ここで、1pips(1銭、0.01円)の利益を投資通貨ごとに見てみますと、それぞれの儲け額は…
1000通貨 = 0.1枚 = 0.01ロット → 10円
1万通貨 = 1枚 = 0.1ロット → 100円
10万通貨 = 10枚 = 1ロット → 1,000円
100万通貨 = 100枚 = 10ロット → 10,000円
になります。
トレードできる通貨の量で、必要な実資金が異なりますが、レバレッジを効かせれば、その実資金は少なくて済みます。それでも、上記利益額の仕組みは変わりません。
今の所持金で、レバレッジを効かせれば、トレード通貨の額が増えることになります。
つまり証拠金(準備できる資金)が同じでも、レバレッジの違いで投資できる通貨数が異なり、1pips(1銭、0.01円)あたりの儲け額が異なってくるのです。
見えない未来を恐れない…
まずは マインドの部分で、レバレッジをポジティブに受け止めること、それは「時間の喪失」を防ぐことにあるということを確認しました。
次は技術面から、レベレッジ効果を得ることをより確実なものにしていくことで、不安を払拭させていきましょう…
トレードの技術面での考え方を、別のコラムで考察していきます…